「鎌倉殿の13人」義経ロスなんて言ってらんない今後も怒涛の展開が…第20回放送「帰ってきた義経」振り返り:4ページ目
これは女子(おなご)の覚悟…静御前が魅せた決死の舞い
道(演:堀内敬子)の侮辱に堪えかね、自分が義経の愛妾であると名乗ってしまった静御前(演:石橋静河)。
何とかして彼女のお腹にいる子供を守りたかった政子(演:小池栄子)や実衣(演:宮澤エマ)の思いも虚しく、鶴岡八幡宮の舞台に躍り出ることに。
助かるためには、下手に踊って一時の恥を忍ぶよりない……そこで初めはひどい舞いを演じたもののやはり耐えかね、お馴染み「しづやしづ……」を詠じます。
できれば「吉野山……」からやらないと頼朝が怒る理由が半減してしまいますが、ここでは「彼女が静御前であるか否か」に重点が置かれたため、割愛されてしまいました。
頼朝の怒りも曖昧なため、政子のフォローと言うか、頼朝を叱りつけたエピソードもあっさりと過ぎていきます。
ちなみに伴奏を務めた銅拍子の畠山重忠(演:中川大志)と鼓の工藤祐経(演:坪倉由幸)は『吾妻鏡』の通り。笛は誰が務めたのでしょうか。
三浦義村(演:山本耕史)が「静御前を間近で見たいから参加した。楽器なんて適当に叩いてりゃいい」などと放言して、重忠が真面目に怒っているシーンがとても素敵でした。
それはそうと、前半の下手な舞いと後半の上手な舞いの違いがはっきり判りませんでした。何となくガサツな動きなんだろうな、くらいは感じましたが……。
ここはもっとドタバタから優雅へとメリハリをつけた方が(筆者のように歌舞音曲に疎い)視聴者の感動が引き立ったのではないでしょうか。
なお『吾妻鏡』には、静御前の舞いについて
「誠是社壇之壯觀。梁塵殆可動。上下皆催興感……」
※『吾妻鏡』文治2年(1186年)4月8日条【意訳】まことに神がかった素晴らしい光景。梁につもった塵(ちり)一つでさえ、感動に打ち震えないものはなかった。その場にいたすべての者が胸を昂らせた……(※ただし頼朝を除く)。
と記されており、もっとその辺りを強調して欲しかったと思います。
参考: どこまでも鬼畜!実は赤子ともども静御前まで殺そうとしていた源頼朝&梶原景時【鎌倉殿の13人】
5ページ目 最期まで義経らしく…義時・景時を唸らせた「鎌倉攻略作戦」