「鎌倉殿の13人」が描く坂東武者たちの史実との違いは?第6回放送「悪い知らせ」の振り返り:3ページ目
畠山重忠(演:中川大志)
大河ドラマでは大庭景親の目下みたいに扱われていましたが、決して下風に立つような家柄ではありません。
やがて捲土重来を果たした頼朝に従うことになりますが、衣笠城を攻めた時点で17歳の生年。後に坂東武士の鑑と讃えられる武勇と将器を備えていたのでした。
和田義盛(演:横田栄司)
「もしも大願成就した暁には、某を侍大将にしていただけませぬか!」
石橋山での放火と言い、重忠との一戦と言い、何かと暴走しがちなイメージの和田義盛。
義澄「まだ何も手柄を立てておらぬのに、先に褒美をねだるやつがあるか」
頼朝「面白い。ならばここに約束する。源氏の世が来たら、おぬしを侍の別当としよう」
この冗談が瓢箪から駒となり、後に鎌倉入りした頼朝は義盛を侍所別当に任じたのでした。
ダメで元々、何でも言ってみるもんですね(もちろん、叶えるための努力は前提ですが)。
その他、女の戦いや後白河法皇の生霊など
……とまぁ、何かと男むさい(そこが魅力的な)源平合戦ですが、北条政子(演:小池栄子)をはじめ女性陣の演技も彩りを添えてくれます。
たとえば政子Vs八重姫(演:新垣結衣)の繰り広げた「女の戦い」。愛する頼朝がどっちの夢枕に立っただの、どっちが早く立っただの……男からすれば「どうでもいい」の一言。
でも、政子にしてみれば水タライを蹴っ転がすくらいに腹立たしかったようで、そんな様子も実に可愛かったですね。
また、今回も頼朝を悩ませる後白河法皇(演:西田敏行)の生霊……夜だけじゃなく、昼間にも出没するように。次はどんなアプローチを仕掛けるのでしょうか。
終わりに
義時「風向きは変わりました。佐殿は生き延びられました。佐殿は天に守られている。そのことは、どんな大義名分よりも人の心をつかみます」
義時「このままでは、石橋山で佐殿をお守りして死んでいった者たちが浮かばれませぬ!事は既に佐殿の思いを超えています。平家の横暴に耐えてきた者たちの不満が今、一つの塊となろうとしている。佐殿がおられなくても我らは戦を続けます。そして必ず、平家の一味を坂東から追い出す」
義時「私は諦めてはおりませぬ!」
その想いを真っ向から受け止めて、真に覚醒(でもちょいちょいボロは出る)した頼朝。
さぁ、ここから巻き返しです。房総の大豪族・上総介広常(演:佐藤浩市)を説得するべく義時と義盛が向かいますが、この男はかなりの曲者。
頼朝からの書状を握りつぶし、酒をかっ食らう無頼漢ぶり。のっけから強烈なインパクトを放ちます。
広常「この戦、俺がついた方が勝ちだ」
果たしてこの広常は頼朝につくか、それとも平家につくのか。次週2月20日(日)放送の第7回「敵か、あるいは」。
義時たちは広常を説得する任務を果たせるのでしょうか。続々新登場する者たちにも注目ですね!
※参考文献:
- 『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 前編』NHK出版、2022年1月
- 『NHK2022年大河ドラマ 鎌倉殿の13人 完全読本』産経新聞出版、2022年1月
- 田中大喜 監修『大河ドラマ 鎌倉殿の13人 北条義時とその時代』宝島社、2022年2月