おかみさんのモラハラで力士集団脱走!?
2020年7月場所終了直後の8月4日、式秀部屋の力士9人が部屋を集団脱走したという、信じられないニュースが報じられました。
脱走の理由はなんと「おかみさんのモラハラ指導」。
力士たちは日本相撲協会の通報窓口に連絡し、協会の事情聴取と仲裁により部屋に戻りました。
相撲部屋と言えば、昔から「稽古や兄弟子による『かわいがり(しごき)』がきつすぎて新弟子が脱走」という話はたまに耳にすることがありましたが、おかみさんによる指導が厳しすぎて脱走とは前代未聞です。
もしかしたら式秀部屋のおかみさんは、師匠である親方が体調不良不在の間「自分がしっかりと力士たちを指導しなくては」という責任感が空回りしてしまったのかもしれませんね。
相撲部屋でのおかみさんの役割って?
そもそも、親方の妻である「おかみさん」の相撲部屋での仕事や役割とは、どのようなものなのでしょうか?
「おかみさん」とは、本来は「部屋持ち親方の妻」を指します。
しかし力士たちが相撲の稽古をするだけでなく、親元を離れて共同生活を送る相撲部屋は、いわば「家族」のようなもの。
その中でのおかみさんの役割は、単なる「親方の奥さん」にとどまりません。
弟子たちのしつけや悩み相談、社会常識の指導なども含めた世話全般はおかみさんの役目で、弟子が本場所で勝てば褒め、負ければ励まし、時には稽古の厳しさに逃げ出した弟子を実家まで迎えに行くこともあります。
親元を離れて角界に入った若い力士たちにとっては、「母親」と変わらない存在なのです。
それだけでなく、親方のスケジュール管理や経理業務、取材などへの対応、後援者との付き合いなど「部屋のマネージャー的業務」も、おかみさんの大切な仕事です。
これらの業務と一般の主婦業・母親業を両立しなければならないのだから、かなりの多忙を極める過酷な仕事と言えるでしょう。
2ページ目 親方が独身の場合、おかみさんの仕事は誰がするの?