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8月の旧称「葉月」は太陰暦に由来。穂張月、紅染月…他にも沢山ある8月の別称を紹介:2ページ目
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英語の8月「August」はローマ皇帝アウグストゥスに由来
ちなみに、英語では8月をAugust(オーガスト)と習いましたが、これは初代ローマ皇帝アウグストゥス(Augustus。在位:紀元前27年~紀元14年)が暦の運用を修正した功績を後世に伝えるため、自分の名前をつけたのだそうです。
「毎年8月は、我が名と功績を称えるように!」
増上慢もいいところですが、暦の正確な運用はそれだけ偉大な功績であったこと、そして周囲の批判を黙らせるだけの権勢を誇っていた(であろう)ため、今日でも西ヨーロッパを中心に、広くアウグストゥスの名が称えられ続けています。
【その他の言語でも称えられているアウグストゥス】
Augustus(オランダ語)
Agosto (イタリア語、スペイン語、ポルトガル語など)
Avgust(ウズベク語、スロベニア語)
August(ドイツ語、エストニア語、スロバキア語など)
Août(フランス語)
Avgusta(ボスニア語)
Август(セルビア語、マケドニア語)
Augusztus(ハンガリー語)
ローマ帝国の歴史が西洋文化に大きな影響を与えていることを、8月の呼び方一つとっても実感できますね。
終わりに
立秋(りっしゅう。8月8日)を過ぎると、暦の上でこそ秋となるものの、まだまだ暑い日本の夏。
早く木の葉が紅く色づき、涼しい風に吹き散っていく眺めが待ち遠しいものですが、二度とは巡らぬ今年の夏もまた、一期一会のご縁として味わえたらと思います。
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※参考文献:
杉本つとむ『語源海』東京書籍、2005年3月
山口謠司『にほんご歳時記』2015年1月
別冊太陽『日本を楽しむ暮らしの歳時記 夏』平凡社、2000年6月
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