大相撲の「呼出し」にも階級あり!力士を呼び出す以外にも大忙しなんです
取組みを行う力士を呼び出す「呼出し」
大相撲は、力士と行司のほかにも力士の髷を結う「床山」、前相撲の進行や勝負結果の記録と普段の下位力士(幕下以下)の指導・監督などを行う「若者頭」、競技用具の管理や客の世話、若者頭の補助的な仕事をする「世話人」などによって支えられています。
これから取組みをする力士を土俵上に呼び出す「呼出し」も、そんな大相撲を支える仕事の1つです。
「呼出し」とはいっても、ただ取組みを行う力士を呼ぶだけが仕事ではありません。
その実態は、意外と仕事がいっぱいで大忙しのようです!
こんなにあるの!?呼出しの仕事
呼出しが行う仕事は、なんといってもその名のとおり、取組みを行う東西の力士の四股名を呼び上げること。
大相撲中継を見たことのある方ならまず聞き逃さないであろう「ひが〜し〜、◯の〜は〜な〜、◯の〜は〜な〜、に〜し〜、◯の〜や〜ま〜、◯の〜や〜ま〜」という独特の節回しで呼び上げられますが、東西の力士を呼ぶ順番は奇数日は東方から、偶数日は西方から(1日のみの地方巡業の場合は東が先)と決められています。
その他に「触れ太鼓」「櫓(やぐら)太鼓」「寄せ太鼓」など、大相撲に欠かせない太鼓を叩くのも、呼出しの仕事です。
さらに本場所の取組みや巡業・各部屋の稽古で使われる土俵を作り、その掃除やメンテナンスを行ったり、土俵入りなどで拍子木を打ったり、力士の使うタオル・塩・力水・力紙などの管理・補充を行ったり、負けた力士の代わりに次に相撲を取る力士に力水をつけたり、懸賞の垂れ幕を持って土俵を回ったり、審判員を務める親方や怪我をした力士の世話をしたり、所属する部屋の雑用をしたり…
これらの他にも、まだまだたくさんの仕事があるのです。
また力士が土俵下に落ちてきて当たると大怪我をする危険があるため、土俵下に控えている呼出しは力士の動きをよく見て、必要なときには水桶や塩入れなどを持って逃げることもあるのだとか。
本場所中の呼出しには、休むどころか、ボーッとしている暇すらなさそうですね!