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歌舞伎や寄席、相撲でよく見る「江戸文字」実は呼称もデザインも全て違う。正しくはなんて言うの?

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千社札の籠文字は複数の流派

千社札は寺社の柱や天井などに自分の姓名や雅号など木版刷りした札のことですね。千社札が流行ったのは「稲荷千社詣り」で全国の千の神社を巡拝する風習が生まれ、参拝した証拠として貼っていくために必要になったから。江戸時代の天明から寛政(1781‒1801年)の頃のようです。

実は千社札にも書体があり、田てう、田キサという書体が知られていますが、総称して「籠文字」と呼ばれます。前述の3つの書体よりもややすっきりと四角い書体ですね。

田てうは竹内田蝶(たけうち たちょう1832‒1881年)という浮世絵師で、あの有名な歌川国芳の門人。提灯傘製造業の父親の元に生まれ、浅草の田町に住んでいたので田蝶と称しました。本業の傍ら千社札のデザインを手がけ名を残しました。

籠字とは

籠字とは書体そのものの名称ではなく、掲額や看板などの大きな文字や、堤灯、行李などの凸凹のある面に書くときなどの技法のことです。

大きな面に対して文字を一筆で書きにくい場合に、文字の輪郭を先に書いて中を塗りつぶす「双鉤填墨」(そうこうてんぼく)という書法を「籠写し」と呼ぶので、そう呼びます。

「籠字」の技法は室町時代の御家流にすでに見られ、江戸時代になると堤灯、纒、町火消しの半纒や手拭の染色下絵など多岐にわたり使われていますが、統一された流派はないため、書体は書き手によって違っています。
共通しているのはメリハリがあり切れ味がよく、遠目からでも判別できるような工夫がされていることです。

いかがでしたか?粋でかっこいい江戸文字、今度からその違いにも注目してみてください。

 

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