朝ドラ「風、薫る」直美(上坂樹里)の夫、早逝の軍人…小日向栄介(藤原季節)のモデル・鈴木良光の生涯
朝ドラ「風、薫る」に登場する小日向栄介(藤原季節)。そのモデルとされるのが、のちに、ヒロイン・大家直美(上坂樹里)のモデルである鈴木雅の夫となる鈴木良光です。
幕臣の家に生まれた良光は、幕末の戦乱を徳川方として戦い抜き、維新後は新政府の軍人として新たな道を歩みました。激動の時代を生きたその人生は、それだけでも十分に波乱万丈です。
けれど、朝ドラ視聴者にとって見逃せないのは、やはり雅との関係でしょう。良光との結婚、そしてその別れは、雅のその後の人生に大きな影響を与えることになります。
時代の大きなうねりの中で生き、雅の運命にも深く関わった鈴木良光。どのような生涯を送ったのか、見ていきましょう。
※朝ドラ「風、薫る」実在モデル紹介記事
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将軍家御目見の旗本、明治政府と戦う
嘉永2(1849)年、鈴木良光は幕臣・鈴木良右衛門の子として生を受けました。当時の幕府旗本には、鈴木姓を名乗る家がいくつかあります。良光もそこの出身であったと思われます。
天下泰平な時代であれば、何事もなく過ごせるはずでした。しかし平和な時代は突如として終わりを告げます。
嘉永6(1853)年、浦賀沖にペリー率いる黒船艦隊が来航。対応を巡って幕府の権威に陰りが見え始めます。
幕末の軍制改革において、父・良右衛門は陸軍奉行並支配という役職に就任しました。
陸軍奉行は、三兵(歩兵・騎兵・砲兵)を統轄する役職。陸軍奉行並はそれに準じる役職で、支配はそのさらに下において兵の統率や管理に関わる任務でした。
実務的な役目であるため、家柄だけでなく、能力や人柄において良右衛門が期待されていたことがわかります。当然、良光が父の薫陶を受けていたことは想像に難くありません。
慶応3(1867)年10月、将軍・徳川慶喜が朝廷に政権を返上(大政奉還)。これにより、徳川幕府の時代は終わりを告げました。
翌慶応4(1868)年1月には、鳥羽・伏見で旧幕府軍と薩長率いる新政府軍との間で軍事的な衝突が発生。20歳となっていた良光はこの戦いに参加して初陣を飾っています。
しかし戦いは旧幕府軍の敗北で終わり、同年4月には江戸城も無血開城となりました。
良光は父・良右衛門と共に旧幕府軍に身を投じて各地を転戦。北海道の五稜郭まで戦い抜きます。
戦後、良光は榎本武揚の説得によって降伏。しかし父・良右衛門は降伏を認めずに、北方領土方面に逃れ、2度と戻ることありませんでした。
その後、良光は静岡に移封された徳川家に出仕。雌伏の時を過ごします。



