清少納言の夫は誰?道兼の妻のその後、独裁政治の幕開け…大河ドラマ「光る君へ」4月7日放送回振り返り
「もうすぐ、星が落ちる。次も長くはもつまい」
巨星・藤原兼家(段田安則)が世を去り、後継者となった藤原道隆(井浦新)によって独裁政治が幕を開けます。
「貴族ばかりが人ではない」と政治改革に挑む藤原道長(柄本佑)は、長兄の強大な権力に太刀打ちできません。
「俺は何ひとつ成していない」忸怩たる思いを募らせる一方、まひろ(紫式部/吉高由里子)も庶民の現実を前に打ちのめされていました。
それぞれの道を進む二人の今後が気になる第14回放送「星落ちてなお」、今週も気になるトピックを振り返っていきましょう!
御嶽詣でのご利益?藤原宣孝、筑前守に
……右衛門の佐宣孝といひたる人は、「あぢきなき事なり。ただきよき衣を着て詣でんに、なでう事かあらん。必ずよもあやしうて詣でよと、御嶽さらに宣はじ。」とて、三月つごもりに、紫のいと濃き指貫、白き襖、山吹のいみじうおどろおどろしきなど着て、隆光が、主殿の助なるには、青色の襖、紅の衣、すりもどろかしたる水干といふ袴を着せて、うちつづき詣でたりけるを、かへる人も今詣づるも、めづらしう、あやしき事に、すべて、むかしよりこの山に、かかる姿の人見えざりつ、と、あさましがりしを、四月一日にかへりて、六月十日の程に、筑前の守の辞せしに、なりたりしこそ、げにいひにけるにたがはずも、ときこえしか。これはあはれなる事にはあらねど、御嶽のついでなり。……
※清少納言『枕草子』第119段「あはれなるもの」より
先週、御嶽詣でに行ってきた藤原宣孝(佐々木蔵之介)。息子の藤原隆光(たかみつ)ともども目立っていたせいか、神様のお目にとまって筑前守となりました。
それを妬んだのか、ききょう(清少納言/ファーストサマーウイカ)が随筆『枕草子』に批判がましく書き留めています。
これが永祚2年(990年)8月30日のこと、やがて大宰少弐(だざいのしょうに/大宰府の次官)を兼任しました。
やがて京都へ帰ってきて、まひろと結婚することになりますが、これも御嶽詣でのご利益だったのかも知れませんね。