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ジャンケン遊びの「おちゃらか」は、遊女を買う悪趣味な旦那の遊びから来ている
「勝った方を買ってやろう」悪趣味な旦那の遊び
宵の口、遣手婆(やりてばばあ。遊郭の支配人)が遊女たちを急き立てて出勤させると、さっそく旦那が遊びに来ます。
「今日はどの娘にしようかな……?」
いやらしく品定めする旦那に「選んでもらおう」と、遊女たちはアピールに必死です。たくさんおカネをくれるお客を相手にできれば、早く親の借金を返せて自分も解放されるからです。
そんな遊女たちの思いを知っている旦那は、余興がわりに遊女を二人選んで競わせます。
「今夜は勝った方を買ってやろう」
まるでピカソ(※1)のようですが、かくして遊女二人は壮絶なキャットファイトを繰り広げ……たのかどうか、争う様子をニヤニヤしながら囃し立てていたのでしょう。
「どちら(が勝つ)か、どちらか、おちゃらか……ほれ、愉快々々……」
(※1)ピカソに交際を迫る2人の女性に対して「勝った方と付き合う」と喧嘩をけしかけ、彼女たちの形相をかの名画「ゲルニカ」に描いたと言われています。
そんな実に悪趣味な勝負の結果、買われた方も売れ残った方も、実にやるせない思いだったことでしょう。そんな情景を、無邪気で残酷な子供たちが遊びとして唄い継ぎ、現代に伝えているようです。
※参考文献:
合田道人『案外、知らずに歌ってた童謡の謎』祥伝社黄金文、2002年2月
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