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辞職を願い出ることを「骸骨を乞う」と表現するのは何故?その由来を紹介します
”骸骨”とは自分の骨のこと
それは、中国春秋戦国時代の斉(せい)の宰相・晏嬰(あんえい)の言動をまとめた『晏子春秋』です。
晏嬰は、中国春秋時代の斉の政治家で、霊公、荘公光、景公の三代に仕え、上を憚ることなく諫言を行った名宰相として知られています。
ここででてくる「骸骨」とは自分の骨のことで、景公に自分のやり方を批判された晏嬰が、「これまで臣下として主君に身を捧げて働いていたが、老いさらばえて骸骨同然の身になってしまった。その骸骨同然の身だけでも返していただきたい」といって辞職を願い出ました。
つまり、長年忠義を尽くし、骸骨のようにボロボロになったこの身を返してほしいというわけで、ここから「骸骨を乞う」という言葉が誕生しました。
さて、翻って現在を見てみると、一人ひとりが抱える仕事量が昔に比べてはるかに増え、また労働環境の悪さから体調を崩して辞めたくなってもなかなか骸骨を乞うこともままなりません。
そんな中、最近需要が増えてきているのが「退職代行サービス」。退職代行とは、退職したいのに辞めさせてくれない、または、「辞めたい」と言いづらい職場環境にいる場合に、退職希望者に代わって退職の意思を伝えて退職を実現するというものです。
「骸骨を乞う」ことも、その道のプロにお願いするほど、難しい時代になってきたようです・・・
参考
- 雪乃 紗衣『彩雲国秘抄 骸骨を乞う 上』(角川書店)
- 雪乃 紗衣『彩雲国秘抄 骸骨を乞う 下』(角川書店)
- 加納喜光監修、川畑英毅『この日本語の意味がわかりますか?』(PHP研究所)
- 山田琢 『晏子春秋』 (新装版中国古典新書)
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