叱られてる内が華?「武士の世」を目指した源頼朝の意識改革と、違反した御家人への悪口雑言を一挙公開:4ページ目
梶原刑部丞友景(かじわら ぎょうぶのじょう ともかげ)
【意訳】
「声はしゃがれ、頭髪は薄く、後退してまるで爺ィだ。刑部なんてガラじゃねぇだろ!」【原文】
「音樣(こわざま)しわがれて、後鬢さまで刑部がらなし」
梶原兵衛尉景貞(かじわら ひょうえのじょう かげさだ)
【意訳】
「合戦の時に武勲を立てたと聞いたから目をかけてやろうと思ったのに、勝手な真似でフイにしちまったなぁ(ニヤニヤ)」【原文】
「合戦の時心甲にてある由聞しめす。よつて御いとほしみあるべきの由思しめすのところ、任官希有なり」
梶原兵衛尉景高(かじわら ひょうえのじょう かげたか)
【意訳】
「顔色も悪いし、元々バカだと思っていたが、やっぱりバカだったか。バカめ」【原文】
「惡氣色して、もとより白者(しれもの)と御覧(ごろう)ぜしに、任官誠に見苦し」
中村馬允時經(なかむら うまのじょう ときつね)
【意訳】
「あの大ボラ野郎、身の程知らずに官位なんか欲しがるから、本領である揖斐庄を失うとは、哀れなヤツだ。馬允と言うが、あんなヤツに育てられる馬が気の毒だ」【原文】
「大虚言(おほそらごと)ばかりを能として、えしらぬ官好みして揖斐庄云ひ知らず、あはれ水驛の人かな。惡馬細工してあれかし」
豊田兵衛尉義幹(とよだ ひょうえのじょう よしもと)
【意訳】
「青っ白いマヌケ面しやがって、あれで兵衛尉だとよ。そう言やぁヤツの親爺も俺が挙兵した時、さんざん呼んだのに来なかったくせして、後から勝ち馬に乗って来たんだったな。バーローめ」【原文】
「色は白らかにして、顔は不覚氣なるものの、ただ候ふべきに、任官希有なり。父は下總において度々召あるも不參して、東國平らげられて後參る、不覚か」
平山右衛門尉季重(ひらやま うえもんのじょう すえしげ)
【意訳】
「あのふわふわしたマヌケ面が気に喰わねぇ。この野郎」【原文】
「顔はふわふわとして、希有の任官かな」
宮内丞舒國(くないしょう のぶくに)
【意訳】
「お前、以前に大井川を渡る時、声とかガクブル震えてたくせに、随分と偉くなったモンだな、あぁ?」【本文】
「大井の渡において、聲樣まことに臆病氣にて、任官見苦しき事か」
山内刑部丞經俊(やまのうち ぎょうぶのじょう つねとし)
【意訳】
「ロクに仕事もしないのに官位ばかり欲しがって、猫に小判だ。この役立たずめ!」【原文】
「官好み、その要用なき事か。あはれ無益の事かな」