昨日は久しぶりに家族で回転寿司に行ってきた筆者です。最近の回転寿司ってすごいですね、もはや回転すらせず、タブレットで好きな寿司をオーダーすると、調理場から直接届けられてくるという便利さ。
「目の前で職人さんが握っている姿にみとれていたい」という方にとっては少しもの寂しいかもしれませんが、最近の回転寿司は、科学技術が発達した島国に住む、日本人ならではの食事の風景ともいえるかもしれません。
日本で海産物が好んで食べられたのは地理的な理由だけではない
さて、日本は海に囲まれた島国であり、魚介類が豊富に採れたため、寿司に限らず古来より多くの海産物が食べられてきました。このように日本で海産物が好んで食べられたのは、地理的な理由だけではありません。そこには日本の社会と文化の影響がありました。
例えば、奈良時代以降、明治に入るまで仏教の影響で一部の肉食が禁止され、さらに土地が肥沃で農耕に適していたため牧畜もそれほど発達しなかったという理由があります。
日本人が肉食をしなかった時代はない。明治時代以前も日本人はお肉を食べていた
戊辰戦争を経て明治維新となり、日本には西洋から様々な文化が入ってくるようになりました。その結果、人々の価値観に変化が生じ、それまでタブーとされていたことにも手を出すようになって行きました。その…
また、日本人の食卓におなじみの海鮮料理の代表ともいえるのが「刺身」ですが、刺身の普及には、日本の伝統技術も関係しているようです。それは、刺身が日本で生まれたしょうゆとの相性がよかったこと、また熟練された刀工技術から切れ味の良い包丁が普及していた背景があげられます。
このように、日本で魚介が好まれて食べられるようになった背景には、地理的要因だけなく社会や文化、伝統技術も大きく影響しています。
2ページ目 節目や祝いの席で海産物に意味を与えて重宝していた