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相撲は喧嘩ではない!でも、本当の殴り合いのような相撲の名勝負があった!

相撲は喧嘩ではない!でも、本当の殴り合いのような相撲の名勝負があった!

「相撲は喧嘩」!?

かつて元大関・小錦関がインタビューに対し「相撲は喧嘩だ!」と発言したとして、問題となりました。これは、小錦の「相撲はファイト」という発言をマスコミが「相撲は喧嘩」と誤訳したことが発端だったと言われています。

ハワイからたった1人で来日して、慣れない相撲界で言葉も分からない中必死に生きてきた小錦関にとっては、そういう「ファイト」の気持ちで心を強く持って取り組まないと、とてもやって来られなかった・・・ということなのでしょう。

この件が問題となったことからも想像がつくように、礼を重んずる相撲の世界において「相撲は喧嘩」などという意識で取り組むことは、どのような事情があっても決して許されないこととされているのです。

しかし、過去にはそんな「相撲の品格」はどこへやら?まるで本当の「殴り合いの喧嘩」のような取り組みがありました。

ボクシングか!?ビンタ合戦か!?両者1歩も引かない突っ張り合い!

それは平成10(1998)年名古屋場所9日目の、当時関脇の千代大海と前頭2枚目の武双山の対戦でした。

ご覧の通り、まるで「ボクシングの試合か!?」「ビンタ合戦か!?」と思うくらいの両者1歩も引かない突っ張り合いの相撲は、武双山が口の中を切って出血しながらも「突き出し」で勝利をおさめる結末となりました。

この取り組みを見た日本相撲協会の時津風理事長(当時)は、「見苦しい」と評したとのことですが、お客さんたちはこの取り組みに大喜び・大興奮していたことが、この映像から分かりますね。

大相撲八百長問題が発覚した後には、多くの人が「この取り組みはガチだよな(つまり八百長相撲ではない)」「これがガチでなかったら、逆にすごい」と感じたようです。

さて、千代大海と武双山は、どちらも後に大関まで昇進しました。千代大海は、大相撲入門前には「大分の隆二」と呼ばれた札付きの不良で「親孝行がしたい」と金髪・剃り込み入りの頭で九重部屋へ入門したというビックリなエピソードの持ち主。

一方の武双山は、アマチュア時代の活躍が認められて「幕下付出」で入門し、幕内昇進時にはまだ相撲教習所の生徒、髪が伸びるのが出世に追いつかず新入幕の時に大銀杏が結えなくて「ちょんまげ」で土俵に上がったというスピード出世を果たした力士。

そんな若さとパワーに満ちあふれ、実力も伸び盛りの2人の力士がぶつかり合った「本気の取り組み」だったのですね。

今後も本場所で、そんな観客を沸かせる相撲が見られることを期待しましょう!

 

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