昨年開催された企画展「ようこそ地獄、たのしい地獄」など、ユニークな展示を定期的に開催している国立公文書館がまたしても面白そうな企画展を開催中です。
今回紹介するのは企画展「漂流ものがたり」。本展ではアジアや欧米へ漂流した日本人の体験や、日本に漂着した異国人への幕府の対応などの記録をまとめて紹介する展覧会。「漂流」にスポットを当てるというハイセンス、トキめかずにはいられない…。
嬉しいことに入場無料です!
日本への漂着の記録といえば…やはりあの事件は外せないでしょう。そう、どんぶり型物体「虚舟(うつろぶね)」です。
これUFO確定っしょ!?江戸時代に出現したあまりに時代に不釣り合いなどんぶり型物体「虚舟」
虚舟は1803年(享和3年)に茨城県大洗町の太平洋に突如現れたとされる船で、その形はまるでUFO。この物体が一体なんであったのか解明するには至っていないといいます。
そんな虚舟の資料も本展ではもちろん紹介されます。幕臣で能書家であった屋代弘賢(やしろひろかた)の雑稿を取りまとめた「弘賢随筆」の中の「うつろ舟の蛮女」が展示されるそう。
そのほかには、江戸への航海中に遭難して漂流の後ロシアに渡り無事に帰国した、伊勢国白子の神昌丸の船頭大黒屋光太夫等の体験などが描かれた「北槎聞略(ほくさぶんりゃく)。」
宝暦3年に八丈島の南岸大賀郷に唐船が漂着し、島役人が船主2名と筆談で会話し、その時の記録や唐船の漂着から長崎への送還までの経緯、漂流した清国商人、漂流船などの絵が描かれた「巡海録(じゅんかいろく)」などが展示されます。
普段ではこういった記録を目にすることはなかなかありませんが、「漂流」といった興味深いテーマに絞って展示してくれることで、関心を持って資料と向き合うことができるでしょう。
企画展「漂流ものがたり」は1月14日(土)〜3月11日(土)の期間、東京都・千代田区の国立公文書館 本館で開催中です。