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月のウサギがついているのは餅ではないらしい

月のウサギがついているのは餅ではないらしい

もうすぐ十五夜。お月見の季節です。(2012年は9月1日が満月です)

月にはウサギさんが住んでいるのはみなさんご存知の通り。しかもそのウサギさんは毎日休むことなく、お月見のお餅をペッタンペッタンと打っていると私たちは思っていました。

ところが、どうやら違うらしいのです。

もちろん私たちはウサギさんがペッタンペッタンと作ったお餅を食べることはできませんし、できたお餅を見た人はいません。あの月にある巨大な臼の中を覗き込むことはできませんから。

しかしどうやら餅ではないらしい。では何なのか?

実はウサギさんが作っているのは「不老不死の薬」らしいのです。

「不老不死の薬」…なんだか怪しい感じがしますが、これはもともと中国の「神仙思想」で言い伝えられていたもので、日本でも平安時代ごろまで信奉されていた思想です。

古くは不老不死の薬がある蓬莱山という未知の島へ探検に行ってみたり、鉱物やら水銀やらを調合して薬を作ったり、気功をやってみたり…とにかくいろんなことにチャレンジして「死なない体を作る」ことに没頭していた時代がありました。

「不老不死なんてバカバカしい」と思ってしまいますが、当時にしてみればこのような思想が、最先端科学のようなものだったのです。私たちが「体にいいから」と言って、ウォーキングをしたり、サプリメントを飲むのと同じように、当時の人達もこうしたことを大まじめに信じていたんですね。

月からやって来たかぐや姫が、帝に「不老不死の薬」をプレゼントしたという話が「竹取物語」にありますから、やはり月は不老不死の薬を作る医薬品工場だったのです。

杵と臼を使うウサギさんの姿は、薬鉢の中にある原料をゴリゴリと細かく擦って、粉状のお薬を作っている様子でした。

中国では今でもウサギさんが作るのは「不老不死の薬」と言われていて、日本と韓国では「餅」になっています。さあどちらが正しいのかはもうNASAに頼んでもう一度月に行ってもらうしかありません。

 

 

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