『豊臣兄弟!』三法師の誘拐は史実?秀吉の“暴挙”、お市&勝家再婚の真意…第30回放送の真相考察:2ページ目
信雄による三法師誘拐は史実?
結論から言うと、そのような事実を裏づける史料の存在は確認できません。もし最新研究の結果として、そのような史料がございましたら、ぜひご教示ください。
つまり四宿老が「みんなで力を合わせた昔を思い出し、結束を固める」ためのイベントとして、信雄は汚名をかぶせられたのでしょう。
ところで信雄が三法師を誘拐する動機がよくわかりません。まんまと誘拐に成功して三法師の身柄を手元に置いたところで、名代を務める正当性が認められず、単なる謀叛として粛清の口実を与えてしまうだけです。
こういう後先を考えない危機意識のなさから、信雄の暗愚さを表現したかったのでしょうか。
ちなみに清須会議の後に、信孝が三法師を保護したまま放さないという事態が起こりますが、それを先取りしようとしたのかもしれませんね。
侍女とのチャンバラシーン?は今回の見せ場だったのでしょうか。また勝家が身体を張って三法師と秀吉を守った場面は、どこかで見たような気がしました。
それにしても織田家宿老クラスでありながら、身辺に警護の一人もついていないというのは、不用心で見ているこちらが心配になってしまいます。
秀吉が三法師を抱えて登場した場面は?
「またみんなで一から力を合わせて戦おう」なんていい感じの空気を作っておきながら、あえてそれをぶち壊し、三宿老に喧嘩を売った秀吉。黒田官兵衛(倉悠貴)の「殿らしい」みたいなセリフは、感心しているのか、恐らく呆れているのかもしれません。
『太閤記』などで描かれる「三法師を文字通り担ぎ上げて宿老や群臣らを平伏させる」という場面は、あくまでフラットな状態から意表を衝くから効いたのです。
劇中の展開では、柴田勝家のように元から秀吉と対立している者はもちろん、丹羽長秀(池田鉄洋)や池田恒興(堀井新太)のように秀吉に与していた者たちさえ敵に回りかねないでしょう。
本当に「上様の思いを継ぐ」のであれば、順当に織田家の利益を最優先に考えればよかったはずです。それを自分でぶち壊してしまう展開は実に斬新でした。
果たして秀吉は、自分で上げてしまった天下獲りのハードルをどう乗り越えていくのか、注目が集まります。

