朝ドラ『風、薫る』「日本のナイチンゲールになる」生田絵梨花が演じる玉田多江の実在モデル・桜川里以の史実:3ページ目
「看護」は医者なんかにやらせてあげられない仕事
第6週『天泣の教室』。
ドラマでは、看護婦養成所西洋のナイチンゲール方式の看護を教えてくれるバーンズ先生(エマ・ハワード)が来ます。
そして、看護の基本は「まずは衛生から」と掃除・換気・シーツの敷き方ほか、油で固めた日本髪は不潔なので束髪にして「皆さん自身が清潔であること」を学びます。
最初は、「シーツの敷き方が看護になるのですか?」と反発していた多江。勉強への意欲が高いゆえに、“雑事”ばかりに思えて物足りなかったのでしょう。
けれども、自身が風邪で寝込んだとき、この“雑事”こそ大切なことに気がつきます。
「シーツにシワがあると、背中にもぞもぞ当たる」「喉が痛くて声が出ない患者は、表情を見ることが大切さ」など、患者目線になり「看護の基本」の重要さに気がついたのです。
「女は結婚しろ」な古い父にはっきり考えを述べた多江
ドラマでは、せっかく清潔であるために束髪にした多江は、実家に戻るときに日本髪に戻します。
父はこの時代にありがちな「女は結婚して夫に尽くすのがベスト」な古い考え方で、無理やり縁談を決め「医師である夫を手伝えばいい」な考えの持ち主でした。束髪にしたら何を言われるかわからないと遠慮したのでしょう。
そして看護養成所を退学させようとします。そんな父に対して、
「私、看護婦になります。看護婦には大したことはできません。診断、治療は医者の仕事です。
でも、病に苦しむ患者を近くで観察して、シーツを替え、窓を開けて換気をして、回復する環境を整えて、水を飲ませ、時に手を握ってそばにいることは、医者なんかにやらせてあげられない仕事です。
私が看護婦として働くのを認めてくれない人とは、結婚はしません。」
りんや直美同様、多江も「女に学問は必要ない」「女は自立するな」な明治時代、親や周囲の“保守的・男尊女卑的な圧力”と戦っていたのでした。
びしっと、自分の考え方を自分で述べる多江。かっこよかった。
実際に、桜川里以と父の間にこのような確執があったかはわかりません。
けれども、その後の里以の看護婦としての活躍ぶりをみると、芯が強く自分の考えは堂々と口にだす女性だったような気がします。

