朝ドラ『風、薫る』遊郭通いしながら廃娼運動の矛盾…シマケン(佐野晶哉)のモデルとされる木下尚江の生涯:5ページ目
「Good job!」な相馬愛蔵
尚江と和の結婚に、尚江の後輩・相馬愛蔵は大反対します。年齢差、社会的な地位差なども理由でしたが、決定的なのは木下尚江の「女性遍歴」。
尚江は「廃娼運動」をしながら熱心に遊郭通いをしていたことが発覚、愛蔵は事実を確認し、以来尚江を信用できなくなったそうです。
原案の伝記小説に登場する尚江の知人によると、深い仲にあった遊郭の遊女に「遊女の借金は法律で無効になる?」と質問されてブチギレ。
「1日法律の仕事で疲れて癒されたくて遊郭に来ているんだ。ここで法律の話などされたらどこに逃げればいいんだ!」と怒鳴ったとか。
尚江に同情的だった知人でさえ「あまりにも女性の心情を無視している」と批判するほどでした。
その後、尚江は別の遊女と懇意になり身請けしますが、恋愛ではなく癒しを求めてのことだったとか。さらに母親に「泥水の染み込んだ遊女など嫁に迎えられるか」と猛反対され遊女のほうが身を引いたそうです。
廃娼運動をしていたならなぜ差別的なもの言いをする母親に言い返さないのか……。
廃娼演説をしながら遊女と女性遍歴を重ねた尚江を許せない愛蔵は、尚江に和を引き合わせたことを激しく後悔し、和に真実を手紙で書き綴り「自分は結婚に大反対している」と心情を伝えました。
和のもとには、愛蔵の手紙と同時に尚江からも手紙が届きます。
和は誠実な言葉で精一杯伝えている愛蔵の手紙に対して、尚江の手紙は「なんとうすっぺらいのだろう」と感じたそう。さらに「なんで尚江に好意を持ったのか?」もわからなくなったそうで……原案小説のこの描写、シビアです。
でも、思い込んだら情熱的に進む和らしい感じもしますね。
和は尚江とは結婚はしませんでした。その後、尚江は以前自分の相手をしてくれた若い看護婦の和賀操と結婚。
相馬愛蔵、ほんとGood job!さすがです。
雅は廃娼運動している知人から尚江の女遊びを聞いて知っていたのでした。(和がのぼせていたので「自分で気がつかなければ熱は冷めない」と思ったそう。直美を彷彿させますね)
最後に…
いずれにしても、木村尚江は「新聞に記事を書いて廃娼運動をした」部分しかシマケン要素がない。ような。
押しの強さ・遊郭遊び好きは、シマケンのキャラクターとはかけ離れているように思えました。もしかしたら、鄭永慶と木村尚江のエピソードの一部を両方を取り入れ、アレンジをした人物なのかもしれませんね。
「新聞記者だから」=「木村尚江だ」ということであれば……。
この先に登場予定の『新潟の新聞記者。何かとりんのことを気に掛ける。』という横沢公輔(井上祐貴)が気になる存在。(「べらぼうファン」としては松平定信の再来!が嬉しい)いろいろな意味でこの先の展開が楽しみです。
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参考:明治のナイチンゲール 大関和物語 -田中ひかる 著(朝ドラ「風、薫る」 原案)


