武将・雑賀孫市(鈴木重朝)の愛刀「八丁念仏団子刺し」その名に隠された恐ろしすぎる斬撃伝説とは:2ページ目
斬られたことさえ気づかずに……。
よもや化け物ではあるまいか?そんなことを思いながら、そっとお坊さんの後をつけていきます。
一丁(約109m)歩き、二町歩き……お坊さんは相変わらず念仏を唱えながら歩き続けました。
もしかしたら、斬ったつもりで実は斬れていなかったのか?そんな疑念が確信に変わりつつあった、その時です。
八丁ほども進んだところで、ふと念仏が止まりました。お坊さんの歩みも止まっています。
さぁ化け物が本性でも現すのか?と思ったら、何と先ほど重朝が斬った太刀筋通りに、お坊さんの身体が真っ二つに崩れました。
つまりお坊さんは、自分が斬られたことさえ気づかずに、念仏を唱えながら歩き続けていたのです。
何という斬れ味の鋭さよ、と重朝が手もとを見ると、太刀の先端に小石が貫かれていました。
恐らくお坊さんを斬った勢いで地面も斬りつけ、そこにあった小石も貫いたのでしょう。
斬られたことに気づかず八丁歩くまで念仏を唱え、石を団子のように貫いたエピソードから、この太刀は八丁念仏団子刺しと呼ばれるようになったのでした。
