朝ドラ【風、薫る】フユは本当に嫌な先輩?実在モデル・吉村セイは若き看護婦を導き慕われた“人格者”だった:4ページ目
感情の大関和と冷静な鈴木雅
看病婦の意識改革や知識を学んでもらうことに熱心だった大関和。鈴木雅も同じでしたが、それに加えて、
「看護婦として自立するためにはそれなりの報酬が必要。確かな技術があれば評価を得やすい…報酬には反映されない献身が当たり前のように求められるようになったら看護婦にとっては負担ではありませんか」
と述べたそうです。すごくごもっとも。
大関和と井上雅のこんなやりとりは、感情的になりやすく突っ走るけれども患者の心に寄り添うりん、冷静に現場やプロセスを観察して物事の本質を突く直美という、ドラマの中のりんと直美を彷彿させますね。
彼女たちが帝大病院に勤めるようになった明治21年(1888)から137年も経っているというのに、令和の現在でも「看護婦はやって当たり前」な横柄な態度の患者をたまに見かけます。大病院では「患者によるハラスメントに対する警告」のポスターも貼ってあったり。
最近では「ナースステーションで看護師が水を飲んでいた」という意味不明なクレームもありました。他病院でもよくあるそうで、病院側も患者から見えないところで気を遣って飲むなど配慮しているそう。
このような「看護婦はやって当たり前」「看護婦は休むな」な考えの苦情があること自体が恥ずかしく感じてしまいます。
看護学生りんとベテラン看病婦フユは手を結べるか
「風、薫る」の原作となった『明治のナイチンゲール 大関和物語』の著者・田中ひかるさんは、コロナ禍になって「感染の危機にさらされる中でも仕事を遂行する看護師さんはすごい」と思って、日本の最初の看護師さんたちについて調べて、この本を書いたそう。
確かに、コロナ禍では、もし自分たちが病に侵されたらお世話になるのに、常軌を逸している差別がありました。暴言・差別・中傷なども見かけました。
ドラマ「風、薫る」が始まった頃「流行病の患者や看病する人間」に対する村人たちの差別の場面は、令和もまったく変わらないな……と嘆息したもの。
ごく当たり前のように、診察も看護も受けられる現代。その最初の道を切り開いて
きた多くの先人の苦労や努力をリスペクトする気持ちは忘れたくないものだと思いつつ。
大関和こと一ノ瀬りんは、年配ベテラン「看病婦」VS最新の若き「看護婦」の間をどのように繋いでいくのか楽しみです。
頑張れ!看護の未来を切り開く若きトレインド・ナースたち!
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参考:
「明治のナイチンゲール 大関和物語」田中ひかる著
「オペ看」ミサヲ 著/ 人間 まお原著


