【豊臣兄弟!】小一郎が断ち切った“憎しみの連鎖”…我が子を取り戻した慶と夫婦の絆を深めた第19回を考察:2ページ目
「憎しみ」を抱き続ける辛さを知った慶
慶のことでずっと気になっていたのは、小一郎や豊臣一家と接しながら「織田憎し」の気持ちをずっと持ち続けるのは、辛いことだろうなということ。そんな慶の心を支えていたのは、亡夫との子、与一郎(高木波瑠)だったのですね。
夫は戦で殺され、子は祖父母に奪われるという地獄に突き落とされた慶。絶望で命を絶たなかったのは、「命よりも大切な我が子を見守る」ことでした。ときどき会う村川竹之助(足立英)に、子の様子を聞くことだけが心の支えだったのでしょう。
けれども、見守っているうちに、与一郎に「憎しみ」を植え育てる義理の父の育て方に不安を覚えたようです。
ドラマ内では、義理の父・堀池頼昌(奥田 瑛二)と義理の母・絹(麻生 祐未)は、斎藤家に仕えた慶の亡夫の父母で今は百姓として生計を立てています。
二人は実在の人物かどうかは不明です。けれども、慶自身も大河ドラマならではのオリジナル人物。
史実では小一郎の正妻は法号を「慈雲院殿」と伝わりますが、秀長との婚姻時期も定かではなく、子を産んだかどうかも当初の資料では確認できないそう。
「豊臣兄弟!」のチーフプロデューサー松川博敬氏によると、秀長の妻についてはほぼ何も分かっていなかった状況なので、「正妻の慈雲院殿と別妻の摂取院光秀という2人がいた」という史実の上でオリジナルキャラクターを設定したとか。
そして、秀長と慈雲院殿の間に与一郎という嫡男がいたことに基づいてストーリーを練ったそうです。
「慶」の名前は、「慈雲院殿芳室紹慶大禅定尼」の「慶」が「ちか」と読むことを知り、監修の専門家(※)にも相談し決まったそうです。
※黒田基樹氏(専門は日本中世史。駿河台大学教授。主な著書に「羽柴秀長の生涯」(平凡社新書)ほか)と、柴裕之氏(専門は日本中世史。東洋大学文学部非常勤講師。主な著書に「羽柴秀長 秀吉の天下を支えた弟」ほか)

