朝ドラ【風、薫る】どこまで史実?忠実に再現された手術シーンが話題…白衣も手袋もない明治時代の病院描写:3ページ目
病院にも階級社会が息づいていた時代
スリーピース姿の医師が、そのままの姿で手術をするのも話題になりました。
手術も、ジャケットを脱いだだけのスーツ姿。ベスト付きのスリーピースなのは、ネクタイがぶら下がるのを防ぎ、血液で白シャツを汚さないために必要だったのでしょうか。腕まくりをしただけで手術をするのは驚きの声があがりましたね。
一説によると、帝大病院だけではなく公立・大病院では診察や手術のときには、患者に敬意を示すためにスリーピースを着用していたとか。
帝都医大病院では、和泉公爵家の奥方・和泉千佳子(仲間由紀恵)のように、いわゆるお偉いさんや身分の高い人も来院するので、そのような意味もあったのかもしれません。
医師が白衣を着用するようになったのは、大正初期ごろといわれています。
現代では、一応はどの病院を訪れても、患者は一定の質の医療を受けられる「医療の平等」を享受できる時代。けれども、この頃の大病院は、階級社会を映し出す「鏡」そのものだったそうです。
ドラマ内でも、患者の属性によって病室が使い分けられているように、当時は、経済力と身分が「病室の等級」を決定していました。
たとえば、「上等病室」は上流階級や富裕層用。プライバシーの確保はもちろん、食事・看護・設備のすべてにおいて手厚い待遇が約束されていました。これに対して、一般庶民や貧困層用の「下等病室」は、5人部屋などの大部屋が基本だったそう。

