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朝ドラ【風、薫る】“怖い。人が” りん(見上愛)の呟きが刺さる…明治のコレラと令和のコロナに共通する差別と恐怖

朝ドラ【風、薫る】“怖い。人が” りん(見上愛)の呟きが刺さる…明治のコレラと令和のコロナに共通する差別と恐怖:3ページ目

感染者が送られる『避病院』は『死病院」

2話では、りんが想いを寄せる幼馴染・虎太郎(小林虎之介)の母親が感染します。囲いを付けた戸板の乗せ『避病院』へ運ばれる母。

けれども病院とは名ばかりで、治療をするわけでもなく隔離をするだけで「一遍行ったら帰ってはこられない」場所でした。

思わず近寄ろうとするりんに、無言で首を振り「来るな」と制する虎太郎が切ない。

史実でも、避病院に運ばれた患者は次々と死んでいくため『死病院』として恐れられたそうです。

「避病院では患者の生き胆を抜く」「医師が井戸で毒を撒いている」などのデマも広がり、実際に医師が住民に殺される事件も起こっています。

「防疫こと看護婦の力が発揮できる機会」

感染した側も治療や看病する側も命懸けだった時代に、有効な感染症対策を高じて実践したのが、一ノ瀬りんのモデルである大関和だったのです。

和は、赤痢感染拡大防止においても大きな貢献をしています。

大関和は、看護師養成所を卒業しキャリアを重ねた後、越後高田の知命堂病院の婦長を務めますが、毎年全国で赤痢の集団感染で数多くの死亡者を出していることを知ります。

欧米の最新の感染症対策を学んでいた和は「防疫こそ看護婦の力が発揮できる機会」と確信。桶や鋤、消毒用具、雑巾、清潔な手拭いなどを馬車に積み込み医師に同行し、感染地域の各家庭を巡り診察・隔離を行おうと試みました。

けれど、もし赤痢と診断されれば「死病院」に送られてしまうと、村人たちから今にも襲われてしまうのではないかと思うほど激しい抵抗にあったそうです。

和は、医師とともに「避病院」を改良して看護と治療の場所にすることを本気で訴えます。

そして、実際に避病院に出向き、患者の体や衣類を清潔にして放置された排泄物を処理するなど、ナイチンゲールがクリミヤ戦争の野戦病院で行った対策を実践。そのことで、赤痢による死亡率を43%から2%まで下げることに成功したそうです。

この偉大な和の功績は全国に広まり各地から防疫の依頼が殺到。和は執筆や講演、後進の育成などで衛生概念の普及に邁進することとなったのです。

看護の現場に飛び込み業績を上げていった大関和。そんな看護婦が社会で自立して働ける仕組みを作っていく鈴木雅。

人々の健康や命を看護で守るという志を同じくしながらも、二人は役割を分かち合って近代看護の道を切り拓いたのでした。

4ページ目 学問は世を渡る翼となり身を守る刀

 

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