暗闇で極楽とつながる神聖な宗教儀式…江戸時代の庶民が熱狂した「戒壇めぐり」の正体:3ページ目
錠前(じょうぜん)の正体
本尊(阿弥陀如来)の真下にある、縦に動く大きな「かんぬき」のような金属が極楽への錠前。
これを「ガチャリ」と鳴らすことができれば、本尊と直接握手をしたのと同じ功徳が得られるとされました。江戸時代の記録には、暗闇の中で錠前が見つからず、パニックになって何周も回る人の姿も記されています。
回向柱(えこうばしら): 御開帳の時期には、本堂の前に巨大な柱が立ちます。戒壇めぐりのあとにこの柱にも触れることで、ご利益を「ダブル」で持ち帰るのが定番でした。
一方で、江戸っ子たちは信心深さと同時に「旅の楽しみ」も忘れません。戒壇めぐりで身を清めた後は、精進潔斎といって、門前町で蕎麦を食べたり、お酒を楽しんだりするのが定番でした。
有名な戒壇めぐりができる寺院は下記の通りです。
・善光寺(長野県)
・東大寺戒壇院(奈良県)
・成田山新勝寺(千葉県)
・高野山の寺院(和歌山県)など
インバウンドが叫ばれるなか、外国人にはわからない、日本人ならではの神秘体験を感じてみてはいかがでしょうか。