『べらぼう』胸熱すぎる展開!七つ星の龍アベンジャーズ爆誕…そして謎の写楽が明らかに?【後編】:2ページ目
“七つ星の龍アベンジャーズ”の誕生に「そうきたか!」の声
蔦重は、箱の中に入っていた「開版望み候はば安徳寺に」という手紙を見て、でかけます。「出版の見込みがあれば安徳寺に来て欲しい」というような内容。
やはり源内先生は生きていた……そんな期待に胸を膨らませて安徳寺を訪れた蔦重が通された部屋にいたのは、座敷の真正面には松平定信(井上祐貴)。三浦庄司、長谷川平蔵(中村隼人)、高岳、柴野栗山(嶋田久作)という5人のメンバー。
「なんで?」という蔦重には、「ほんと、それだわ」と思わず笑ってしまう場面。まったく想像をつかない人々が目の前にいたら、これ以外に言葉がありませんよね。
ずっと続いてきた蔦重の周囲で起こってきたことと、幕府内で起きたことと、源内の存在が中心となりここで世界が交わった瞬間でした。
唖然とする蔦重に、高岳が、徳川家基(奥智哉)が死ぬ原因となった毒入り手袋を見せ、平蔵は“この手袋を仕掛けた大奥務めだった大崎(映美くらら)を探している”など、経緯と状況説明をします。
そして、この事件の黒幕の話になり定信が
「我らも皆、そのものの傀儡とされもて遊ばれたともいえる。故に宿怨をこえ、共に仇を討つべく手を組むに至った。どうだ、我らと共に仇を討たぬか」
と蔦重に語りかけます。
平賀源内が取り持ち結び合った5人の不思議な縁。ここに蔦重と源内が加わり七人となり、まさに“七つ星の龍アベンジャーズ”の誕生です。
宿怨を超えて“敵”だった定信と組むことができるのか
まさかのこの意表をついたこの大胆な展開には、SNSでも「そうきたか!」「まるで少年漫画のような展開」「胸熱な“七つ星の龍アベンジャーズ”の爆誕」などの歓声があがりました。
本当に、べらぼうなのは、蔦重ではなく脚本の森下佳子さんそのものでした。
このドラマ「べらぼう」自体が、悲喜交々な政争・出版ビジネス・天変地異・恋愛・裏切り・親子愛・師弟愛などさまざまな要素を詰め込んだ、壮大な黄表紙そのもので、視聴者はずっとそれを読まされていたのかもしれません。
蔦重は、殺人の罪を着せられ牢に入れられた平賀源内の無念、田沼意次の無念、田沼意知(宮沢氷魚)と誰袖(福原遥)の幸せを壊した無念、殺された新之助(井之脇海)の無念を忘れているはずはないでしょう。
けれども、華やかな江戸文化を倹約倹約で衰退させ、恋川春町(岡山天音)を自死に追い込み、耕書堂の財産を半分さらっていった「ふんどし野郎」と果たして「宿怨をこえ手を組む」気持ちになれるかどうか……個人的には一橋を完膚なきまでに叩きのめして欲しいのですが。

