「べらぼう」復活の歌麿!北斎と馬琴の実際、宿屋飯盛の末路ほか… 史実を元に10月19日放送回を解説:4ページ目
喜多川歌麿「婦人相学十躰」改め「婦女人相十品」
劇中で言及された相学(人相学)ブームに乗じて、蔦重が思い立った「婦人相学十躰(ふじんそうがくじってい/おんな にんそうがくじってい)」。こんな人相は浮気性だよ、ああいう人相はむっつりスケベだよ、と言った具合です。
手相と同じで話題作りにしかならないでしょうが(筆者の偏見)、やはりこういうものはじっくり見てしまうのが人情というもの。
歌麿は微細な顔の表情に加えて、小道具を使う時のふとした仕草などから、その女性の性格や雰囲気を巧みに描き出したのでした。
これまでになかった大首絵の美人画、そして背景に雲母摺(きらずり)を用いることで人物を引き立てる手法が受け、浮世絵師上でも重要な作品と位置づけられます。
大人気を博したものの、真面目?な相学関係者からクレームが来たため、途中でタイトルを「婦女人相十品(ふじょにんそうじっぽん)」と変えました。
しかしそんな小細工でクレームが収まるはずもなく(人相って言っているじゃん!)、残念ながらシリーズは8作で終了してしまったそうです。
歴史教科書などでおなじみの「ポッピンを吹く娘」などもこの一つで、他にも「文を読む女」や「浮気之相」などが知られています。
また、後に喜多川歌麿「寛政三美人」のモデルになる女性たちも登場していましたね。
- 難波屋おきた(椿)団子屋
- 高島屋おひさ(汐見まとい)煎餅屋
- 白池屋おつね?(言及のみ)
瑣吉が色男を気取って彼女たちに声をかけていましたが、悉く素気ない対応をとられてしまいます。瑣吉の態度は強がりなのか、本気の勘違いなのか……。
寛政三美人についてはこちら:
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