【べらぼう】きよの足の異変は何?大崎の老女罷免、蔦重渾身の黄表紙ほか…9月28日放送回の振り返り解説:4ページ目
蔦重渾身の黄表紙『本樹真猿浮気噺』とは?
おていさん「そちらこそ、大事ございませんか?初めてお書きになる黄表紙の方は」
蔦重の意地悪に対して、おていさんも皮肉で反撃します。ちょっと風変わりですが、夫婦喧嘩も出来るくらいに関係が築けてきた証拠と言えるでしょう。
それでは蔦重渾身の黄表紙『本樹真猿浮気噺(もときにまさるうわきばなし)』、その内容もざっくり見てみますと……。
天野邪九郎(あまの じゃくろう)は文字通り天邪鬼な性格で、世の中で行われている季節の行事やそれらに伴う商売を、そのまま行いたくありません。
何とか自分が新しい商売を起こしてそれを流行らせたい一心で、色んな商売を考え出します。
例えばいつでも小松引き(正月の遊び)ができるように松を植えたり、雛人形を貸し出したり、吉原の真ん中で潮干狩り場を作ったり……。
他にも寒中裸参りの逆で暑中厚着参り、夜鷹ではなく昼鷹、七五三(袴着・髪置・帯解)のレンタル衣裳屋(損料貸し)などなど。
結局どれも上手く行かず、出家して天野どうやと改名。それでも「どうやらこうやら」何とか暮らせてめでたしめでたし……というオチでした。
うーん。蔦唐丸(本作における蔦重の筆名)には誠に申し訳ないのですが……。
第38回「地本問屋仲間事之始(じほんどんやなかまことのはじまり)」
蔦重(横浜流星)は鶴屋(風間俊介)の計らいで、口論となった政演(古川雄大)と再び出会うが…。一方、定信(井上祐貴)は学問や思想に厳しい目を向け、出版統制を行う。
※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
山東京伝が大和田安兵衛(おおわだ やすべゑ)のところから出した『心学早染草』は面白く、かつふんどし野郎の意にも沿う、目から鱗の一作でした。
考えてみれば、黄表紙というのは面白ければいいのであって、何も公権力に逆らわなければならないという縛りはありません。
しかし春町の死によって意固地になり、また自身に驕りつつあった蔦重は、そんな京伝の態度が許せなかったのでしょう。
蔦重「戯け者は、ふんどしに抗ってかねぇと、一つも戯けられねぇ世になっちまうんだよ!」
京伝「蔦重さんのとこでは、一切書かねぇっす!」
追い詰められる蔦重、俺たち本屋「仲間」だろ(予告より)……果たして二人がどのように和解するのか、また地本問屋の仲間たちとの関係が次週の見どころとなりそうです。
ここしばらく苦境が続く中、蔦重がどのように乗り越えていくのかを見守っていきましょう!


