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大河『べらぼう』過去回シーンが伏線に…凄惨な過去の亡霊に苦しむ歌麿、救えぬ蔦重【前編】

大河『べらぼう』過去回シーンが伏線に…凄惨な過去の亡霊に苦しむ歌麿、救えぬ蔦重【前編】

「忘れるか!あんなに楽しかったのに」

何年も前、子供の頃、束の間一緒に絵を描いて遊んだだけなのに、自分のことを忘れず覚えていてくれて、「楽しかった」と言われたら、どんなにうれしいだろう……と、胸にぐっとくる言葉でした。

NHK大河「べらぼう」第30話『人まね歌麿』

子供時代の唐丸(歌麿/渡邉斗翔)に絵の才能があると見抜き、絵を教えたいと望んだ絵師・鳥山石燕(片岡鶴太郎)が、大人になった歌麿(染谷聡太)と再会し「覚えていてくれたのですか」と問われた時のセリフです。

『べらぼう』片岡鶴太郎の名演が話題、鳥山石燕の生涯と「辞世の句」歌麿との実際の関係とは

NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の第5回放送「蔦に唐丸、因果の蔓」で唐丸(歌麿)との出会いが回想されて以来、第30回放送「人まね歌麿」で再会した鳥山石燕(片岡鶴太郎)。喜多川歌麿…

タイトルの「人まね」の意味、凄惨な過去と向き合う歌麿、悩む蔦重、師匠との再会で開ける歌麿の新しい人生、などを回想しました。

「ひとまね歌麿」から自分の絵を描く絵師へ

耕書堂は開店以来の大盛況。蔦重が、未来の幸せを奪われた田沼意知(宮沢氷魚)と誰袖(福原遥)の「仇討」として、“”意知を斬った佐野が大明神と崇められている風潮”をひっくり返すために作った、黄表紙の『江戸生艶気樺焼』が大ヒットしたからでした。

噂を聞いて、耕書堂に遊びに来た絵師・北尾重政(橋本淳)に、蔦重は「狂歌師と絵師がコラボする入銀システムの狂歌絵本」という新しい企画の話をします。それを聞いて、新しい本を出すなら「歌麿に絵を描かせちゃどうだい?最近、『人まね歌麿』と有名だよ」という重政。

「こりゃ、時が来たってことか!」とひらめく蔦重。

この「時が来た」……は、蔦重が「夢を叶える時が来た」という意味です。昔、歌麿にいろいろな絵師の絵をそっくりに描かせ、「この絵師は誰?」と町中で噂になった頃に、実は「この歌麿にございとお披露目する」のが自分の夢だと語っていました。とうとう歌麿をデビューさせる準備をするときが来たと思ったのでしょう。

2ページ目 蔦重と一番長い付き合いの北尾重政のアドバイス

 

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