『べらぼう』喜多川歌麿(染谷将太)ブレイク前夜に耕書堂から出版された「画本虫ゑらみ」が圧巻の画力!
NHKで放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。8月3日(日)に放送された第29回放送「江戸生蔦屋仇討(えどうまれ つたやのあだうち)」では、誰袖(福原遥)に、もう一度笑顔を取り戻してもらいたいと願う蔦屋重三郎(横浜流星)による”仇討ち”が描かれました。
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そして次回放送では、染谷将太さんが演じている喜多川歌麿ブレイクのきっかけとなる出来事が描かれる模様。壮絶な過去を持つ歌麿ですが、描くことにおいても相当な苦労を重ねていく予感。
喜多川歌麿といえば美人画が有名です。歌麿が描く美人画は繊細な描線を特徴で、「寛政三美人」や「ポッピンを吹く女」を始めとした歌麿の美人画は海外でも高く評価されています。
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そんな美人画の代名詞ともいえる喜多川歌麿ですが、美人画以外の作品でも数々の名作を残しています。今回紹介する作品は、その名作のひとつと言っても過言ではない「画本虫ゑらみ」(がほんむしえらび)です。
「画本虫ゑらみ (または 画本虫撰)」は江戸時代の全15図からなる狂歌絵本です。狂歌とは、滑稽さや皮肉などを盛り込んだカジュアルな短歌のことを言います。
もちろんこの作品も蔦屋重三郎の耕書堂から1788(天明8)年に出版されたもの。
この本は見開き2ページの中に虫を2匹描き、その2匹の虫にちなんだ狂歌を2句歌うというとても面白い体裁になっていて、虫の世界を覗いているかのような感覚になってきます。
絵はすべて喜多川歌麿によるものですが、なんといっても植物や虫の描画力の高さが素晴らしいのです。美人画を得意とした歌麿ですが、花鳥画においてもその才能がダダ漏れなわけです。狂歌絵本となっていますが、植物と虫の図鑑と称しても良いかもしれません。


この「画本虫ゑらみ」は歌麿の出世作ともいえるものなんだそうですが、確かにこの才能を世が放っておくわけがありません。その後の活躍で歌麿の美人画は開花します。美人画のほうが後なんですね。
それでは、喜多川歌麿による「画本虫ゑらみ」をどうぞ!
喜多川歌麿「画本虫ゑらみ」を見る
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