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「我こそ勝家なり!」主君・柴田勝家を救うため名を偽り討死した若武者・毛受勝照の忠義【前編】

「我こそ勝家なり!」主君・柴田勝家を救うため名を偽り討死した若武者・毛受勝照の忠義【前編】:2ページ目

「殿の旗は、この手で取り戻す」

運命を決める出来事が起こったのは、17歳の時。伊勢長島の戦いで、まさかの事態が起こります。柴田軍の「馬印」、つまり大将の旗が、敵に奪われてしまったのです。戦場では軍の顔を失うようなもので、大変な屈辱でした。

柴田勝家は怒り、「自分が取り返す!」と前に出ようとします。その時、勝照が立ち塞がりました。

「殿の命を守ります。馬印は、私が取り戻します」

そう言って、勝照はたった一人で敵陣に飛び込みます。命がけの攻撃で、見事に馬印を奪い返し、味方の元へ届けました。勝家は心を打たれ、自分の名前から「勝」の字を与え、照景(しょうけい)と名乗っていた彼に、勝照(かつてる)という新しい名を授けたのです。

驚くことに、この頃の勝照はまだ10代の若者でした。

【後編】の記事はこちら↓

敵将・秀吉も認めた!主君・柴田勝家を救うため命を賭した若武者・毛受勝照の最期【後編】

戦国時代。名を上げ、領土を広げることに夢中な武士たちの中で、ただ一人、主君に真心をつくした若者がいました。その名は毛受勝照(めんじゅ かつてる)。【前編】に引き続き、主君・柴田勝家に忠義を尽く…

参考文献:スタンダーズ監修『信長の家臣団と光秀対秀吉』スタンダーズ、2019

 

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