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戸籍から外れたら“無宿”!江戸時代のアウトローたちと「宗門人別改帳」の呪縛

戸籍から外れたら“無宿”!江戸時代のアウトローたちと「宗門人別改帳」の呪縛:2ページ目

漂流する博徒

関東は、中小大名や旗本領、天領、寺社領が複雑に入り組んでいました。そのため、仮に天領で無宿を捕らえようとしても、管轄外に逃げられると捜査の手続きが面倒になったのです。

こうした点からも、関八州は無宿や博徒にとっては住み心地がよい場所だったといえるでしょう。

幕末以降はやくざを主人公にした多くのエンタメ作品が生まれましたが、明治時代になると、各地を放浪する博徒を主人公とした股旅物が人気を博すようになります。

その人気は戦後も続き、『木枯し紋次郎』『座頭市物語』などが生まれたのにはそうした理由があったのです。

池波正太郎の『仕掛人藤枝梅安』でも、梅安が上方や伊勢に旅する場面がいくつも見られます。

さまざまな人物と出会って物語が展開されるので、股旅物は時代劇と相性がよかったのでしょう。

参考資料:縄田一男・菅野俊輔監修『鬼平と梅安が見た江戸の闇社会』2023年、宝島社新書画像:photoAC,Wikipedia

 

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