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坂本龍馬が愛した幕末最強の女剣士「千葉佐那」龍馬を想い続け生きた知られざる生涯

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明治の世を、黙って生きた

時代が変わり、剣の時代が終わると、佐那は兄とともに京都へ移り、華族女学校で舎監の仕事に就きます。その後は東京・千住に移り、「千葉灸治院」を開業。

剣ではなく、灸の技で人々を癒す道を選びました。彼女なりに、世の中の変化に向き合おうとしたのだと思います。

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1896年、佐那は59歳でこの世を去ります。佐那の結婚については、「生涯独身だった」と長らく語られてきましたが、近年になって、明治時代の新聞記事から、元鳥取藩士の山口菊次郎(やまぐちきくじろう)という人物と、一時期結婚していたともいわれています。

ただし、亡くなったときには、独り身だったことが確認されています。

静かに残る足跡

当初は、家族もなく、無縁仏として葬られるところでした。しかし、生前佐那に世話になった人々の手によって、山梨県甲府市の清運寺に墓が建てられます。そこには、「坂本龍馬室(さかもとりょうまのつま)」という文字が刻まれていました。

そして、百年以上が過ぎた2016年。佐那の妹・はまの子孫が墓の存在を知り、佐那の遺骨は、千葉家の菩提寺である東京都練馬区の仁寿院に改葬されました。佐那はようやく、家族のもとに帰ることができたのです。

10代で免許皆伝という驚きの才能を持ちながら、華やかな人生を誇ることもなく、ただ一途に剣を、そして人を大切に生きた千葉佐那。その姿は、幕末の一ページに咲いた小さな光のように、今も静かに私たちに語りかけてくれます。

参考

 

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