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江戸時代の藩札=地方通貨の先駆け?信用と破綻のはざまで揺れた危険な通貨制度を解説

江戸時代の藩札=地方通貨の先駆け?信用と破綻のはざまで揺れた危険な通貨制度を解説:2ページ目

藩外では使えなかった

藩札が発行されると、藩内では正貨である金貨・銀貨・銭貨の使用が制限されることもありました

そのため、領民は正貨と引きかえに藩札を受け取り、その結果、正貨が藩に集中することになったのです。

藩は、正貨を参勤交代や江戸藩邸での生活の費用、藩外の対外的な支払いにあてました。

しかし藩札は、領内では貨幣のかわりに使用可能ですが、藩外では使えません。事情があって藩外に正貨を持ち出さなければならないときは、手数料を払って正貨に交換してもらう必要がありました。

現代の目線で見れば非常に使い勝手が悪そうですね。

しかし上手に運用すれば、引き替え用に藩が備蓄している正貨以上の通貨が藩内で流通することになって経済活動が活発化することもありました。

また、専売品の奨励によって藩の産業が活発化したりする効果もあり、積極的に評価できる側面もあったのです。

3ページ目 藩札の価値を支えた「信用」

 

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