祇園祭の前半クライマックス前祭山鉾巡行・神幸祭までの行事と日程を一挙紹介〜今夏は祇園祭を極めよう:3ページ目
「前祭宵山」から「前祭山鉾巡行」「神幸祭」
14日(月)~16日(水)の期間、前祭各山鉾町にて「前祭宵山」が行われます。宵山は、祇園祭のメインとなる山鉾巡行の3日前・前々日・前日の総称で、前祭宵山では町会所に人形や懸装品を飾り、粽やお守りを授与します。
山鉾には駒形提灯が灯され「コンチキチン」の音色の祇園囃子が奏でられ、夕刻より四条通や烏丸通の山鉾町一帯は歩行者天国となり、多くの露店が出て、賑やかなお祭りムード一色に。
一方、後祭宵山は、歩行者天国や露店の出店はなく、「祇園祭」本来の幻想的な雰囲気のなか、落ち着いてお祭りに浸ることができます。
15日(火)は早朝より、高橋町により「斎竹(いみたけ)建て」が行われます。「斎竹」とは、山鉾巡行で長刀鉾の稚児が切る注連縄を張るための青竹で、四条麩屋町にたてられます。
巡行当日に、長刀鉾稚児がこの注連縄を太刀で切る「注連縄切り」という行事が行われ、華やかな山鉾巡行がスタートするのです。
そして同じく15日(火)の午後8時になると、八坂神社にて「宵宮祭」が斎行されます。境内の灯を消した浄闇の中で白装束の神官たちにより、3基の神輿(中御座神輿・東御座神輿・西御座神輿)に、素戔嗚尊(スサノオノミコト)・櫛名田比売尊(クシイナダヒメノミコト)・八柱御子神(ヤハシラノミコガミ)の神霊を遷す神事です。
巡行前日の16日(水)の午後9時より八坂神社にて、表千家家元と裏千家家元が隔年奉仕により、境内の井戸水・祗園神水を使い、濃茶・薄茶を点てて神前に供える「献茶祭」が行われます。
さて、17日(木)の午前9時から、前半のハイライトともいうべき「前祭山鉾巡行」がスタートします。四条烏丸を出発し、長刀鉾を先頭に23基の山鉾が四条通・河原町通・御池通を巡行。
巡行中にくじ改めが行われ、京都市長が大紋烏帽子姿の奉行に扮し、くじ取り式で決定した巡行順位に従い順位を正します。そして、午後2時頃にはら長刀鉾稚児が八坂神社を訪れ、授かった正五位少将・十万石大名の位を返す、お位返しの儀が行われます。
また、同日午後4時より、八坂神社の本殿から神霊を遷した3基の神輿が、四条寺町の御旅所まで渡御する神事「神幸祭(しんこうさい)」および「神輿渡御(みこしとぎょ)」が行われます。
この神事と、24日に行われる「還幸祭(かんこうさい)」こそが、「祇園祭」のメインともされる重要な行事です。午後6時には八坂神社の石段下で出発式が行われ、6時半頃に3基の神輿が石段下で差し上げられたのち、それぞれ異なるルートで氏子町を巡りながら四条御旅所を目指します。
さて、「祇園祭」前祭の山鉾巡行および神幸祭までの行事と日程をご紹介しました。それぞれの神事・行事にはとても重要な意味があり、すべてが揃ってこそ「祇園祭」が成り立ちます。
次回は、18日(金)から31日(木)までの「祇園祭」後半の行事と日程をご紹介しましょう。






