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祇園祭の前半クライマックス前祭山鉾巡行・神幸祭までの行事と日程を一挙紹介〜今夏は祇園祭を極めよう

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「前祭 山・鉾建て」から「久世駒形稚児社参」

10日(金)~14日(月)の期間、前祭各山鉾町にて「前祭 山・鉾建て」が行われます。山鉾建てでは17日(木)の祇園祭山鉾巡行(前祭)に先立って、収蔵庫から取り出した部材を、釘を1本も使わず、荒縄などによる縄絡みといわれる伝統技法で組み立て、懸装品などを飾ります。

この山鉾建ては、大型の山鉾(長刀鉾・函谷鉾・鶏鉾・菊水鉾・月鉾・放下鉾・岩戸山・船鉾)は、10日(木)・11日(金)から組み立てが始まりますが、山鉾によって日程が異なるので事前にチェックしましょう。

また10日(金)の午後4時30分から「神輿洗」の神輿を出迎えるために祇園囃子の音色に合わせて、金獅子・銀獅子・稚児武者などの提灯行列である「お迎え提灯」が、八坂神社を出発し氏子区内の街中を練り歩きます。

そして、20時頃からは神輿を神用水で洗い清める行事である「神輿洗」を斎行。大松明を担ぎ、八坂神社から四条大橋まで往復する先祓いの後、神輿は四条大橋まで出され先回しが行われ、この時の松明の燃え残りを持ち帰ると、盗難除け・厄除けになるといわれています。

12日(土)・13日(日)の両日は、祗園囃子の音色の中、山鉾巡行に先立って、組み立てられたばかりの山鉾を本番さながらに曳く「前祭山鉾曳き初め・山舁き初め」が行われます。

12日(土)の山鉾曳き初めは、午後2時から函谷鉾(かんこほこ)、2時30分から鶏鉾(にわとりほこ)、午後3時から月鉾(つきほこ)・菊水鉾(きくすいほこ)、3時30分から長刀鉾(なぎなたほこ)が曳かれますが、予告なく変更・中止の場合があるので注意しましょう。また、12日(土)~16日(水)の夕刻より山鉾上では囃子が行われ、山鉾町は祭りの雰囲気に包まれます。

13日(日)の午前11時からは「長刀鉾稚児社参の儀」を斎行。立烏帽子水干姿の長刀鉾の稚児が、従者である禿(かむろ)を従え、白馬にて八坂神社を訪れる行事です。

この日から稚児は、正式には地面を踏むことができなくなり、「強力(ごうりき)」と呼ばれる男性が稚児を担いで馬に乗せます。この儀式は俗に「お位もらい」ともいわれ、稚児は八坂神社でお祓いを受け「五位少将十万石」と同じ格式を授かります。これは山鉾巡行(前祭)の際、稚児が長刀鉾の上から貴人を見下ろしても不遜にならないようにとの配慮から。

この日から稚児は、巡行まで精進潔斎の生活に入り、女人禁制のしきたりに従い、世話の一切は男性が行います。稚児の食事は母親に変わり父親がつくり、女性は一切同席することができません。祭にまつわることもすべて、男性の役員が世話をすることになるのです。

同じく13日(日)の午後2時からは、八坂神社にて「久世駒形稚児社参」 が行われます。久世駒形稚児は、17日(木)の神幸祭と24日(木)の還幸祭における神輿渡御で、素戔嗚尊を祀る神輿の中御座の行列に伴って廻る稚児です。

稚児は綾戸国中神社の御神体で、馬の首の形を模した「駒形」を胸にその形代(かたしろ)をかけます。

これにより稚児は神の化身及び神そのものとみなされ、五位の位を授けられた長刀鉾稚児や皇族でも、乗り物から降りなければなりません。神である稚児は、八坂神社の境内に馬を乗り入れ、直接本殿に乗り付けることができるのです。

つまり、八坂神社の和御魂と綾戸国中神社の荒御魂が合体してはじめて祇園祭が成立すると考えられ、それほど久世駒形稚児は重要な存在ということができます。

3ページ目 「前祭宵山」から「前祭山鉾巡行」「神幸祭」

 

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