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【べらぼう】「焦げくさくて飲めん!」日本人初?狂歌師・大田南畝によるコーヒーのレビューがこちら!

【べらぼう】「焦げくさくて飲めん!」日本人初?狂歌師・大田南畝によるコーヒーのレビューがこちら!

狂歌師や戯作者として活躍した大田南畝は、旺盛な好奇心から様々な体験に挑戦し、その様子を記録していました。

一説には日本人で始めてコーヒーを飲んだとも言われており、その独特な風味に面食らったかも知れません。

今回は大田南畝の随筆『瓊浦又綴(けいほゆうてつ)』から、コーヒー体験記を紹介したいと思います。

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「豆を黒く炒りて粉にし、白糖を和し」たコーヒーのお味は?

〇紅毛船(こうもうせん)にて「カウヒイ」といふものを勸(すす)む、豆を黒く炒りて粉にし、白糖を和したるものなり、焦げくさくして味(あじわ)ふるに堪(たえ)ず……(後略)……

※大田南畝『瓊浦又綴』

【意訳】オランダ船に乗せてもらった時、「カウヒイ(コーヒー)」という飲み物を勧められた。これは豆を黒く炒って粉に挽き、砂糖を加えて飲むのである。さっそく試してみたが、焦げくさくて飲めたものではなかった。

……とのこと。初めてコーヒーを飲んだ時に、同じような感想を持った方も多いのではないでしょうか。

いつの時代も、初めての体験に対するリアクションは、似たようなものですね。

お口直し?にお酒など

コーヒーはお口に合わなかった大田南畝ですが、口直し?として洋酒を勧められました。

……(前略)……「ゼネイフル」といふ酒は、松の子を以て製したり、外に葡萄酒を□□□□□といふ肉桂酒を□□□□□□□□といふ……(後略)……

※大田南畝『瓊浦又綴』

ゼネイフルとは、現代でいうジンのこと。杜松果(としょうか。杜松実、杜松子)と呼ばれる松の実で作るそうです。

また葡萄酒や肉桂酒についても紹介されますが、これらのオランダ語表記については伏せ字となっていました。

もしかしたら、発音が難しくて書き取れなかったのかも知れませんね。

葡萄酒は□□□□□(5文字)。

肉桂酒は□□□□□□□□(8文字)。

この字数枠から原文で書かれている「」を除くと、葡萄酒は3文字、肉桂酒は6文字になりそうです。

現代オランダ語で葡萄酒はwijn(ワイン)、肉桂酒はkaneel wijn(カニル ワイン)。ちょうどそれぞれ埋まりました。

たぶん大田南畝は、このように書きたかったのだと思います。

2ページ目 ところで『瓊浦又綴』の意味は?

 

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