大河「べらぼう」蔦屋重三郎と瀬川を生涯結ぶ2冊の本 『心中天網島』『青楼美人』の紹介と考察【前編】:4ページ目
想いと夢を胸に秘め旅立つ瀬川に贈る『青楼美人合姿鏡』
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感動的にガバッと抱き合うわけでもなく接吻をするわけでもない、さりげない仕草でしたが、「自分と逃げる覚悟をしてくれた蔦重の気持ちを一生忘れない」「一時でも、しおのように惚れた相手と一緒になる夢を見れた」……この短い思い出だけで生きていけるという瀬川の熱い気持ちが痛いほど伝わる名場面だったと思います。
瀬川が返した本に挟まれていた通行切手は、「女 しお」と書いてある部分が破られていました。せっかく、蔦重が付けてくれた名前だから、生涯の宝物にするつもりで破ったのでしょう。
そんな瀬川に、蔦重は思いのたけ込めた新しい本を送ります。その名も『青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)」』。吉原のPRのために作った本ではありますが、蔦重が万感の想いと夢を込めて瀬川のために作り最後のプレゼントとして贈った本でした。
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大河「べらぼう」蔦屋重三郎と瀬川を生涯結ぶ2冊の本 『心中天網島』『青楼美人』の紹介と考察【後編】
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※トップ画像:NHK「べらぼう」公式HPより


