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酔っ払うまひろ&自制しない道長…大河ドラマ「光る君へ」第37回放送(9月29日)振り返り!

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道長に盗まれた『源氏物語』原稿

藤式部の名を一躍高めた平安文学の最高傑作『源氏物語』。

その執筆には相当な苦労があったと見られ、時には道長に原稿を盗まれてしまったこともあったそうです。

……局に物語の本ども取りにやりて隠しおきたるを、御前にあるほどに、やをらおはしまいて、あさらせたまひて、みな内侍の督の殿にたてまつりたまひてけり。 よろしう書きかへたりしはみなひき失ひて、心もとなき名をぞとりはべりけむかし。……

※『紫式部日記』より

【意訳】自分の局(つぼね。居住スペース)にしまっておいた『源氏物語』の原稿が盗まれた。
犯人は殿(道長)。私が中宮(彰子)の元でお仕えしている間に忍び込んで探し回ったのだ。
盗んだ原稿は内侍督(ないしのかみ)の殿つまり藤原妍子(けんし/きよこ。道長次女)に読ませたという。
ちゃんと書き直せた原稿はどこかに行ってしまったし、正直微妙な原稿が彼女の手にわたってしまった。
あんなのが読まれたら、私もさぞやボロッカスに貶されてしまうだろう……。

道長は「自分の娘に見せたいから」と、『源氏物語』の原稿を盗んだのでした。

権力にモノを言わせ、ファンにあるまじき暴挙と言えるでしょう。

もし道長が原稿を盗まなかったら『源氏物語』は違ったストーリーになっていたかも知れませんね。

3ページ目 まだまだ続く『源氏物語』三十三帖とは

 

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