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奥会津に織姫さま?からむし織を伝える女性たち

奥会津に織姫さま?からむし織を伝える女性たち

奥会津に行くと、どうやら織姫さまがいるそうです。
この織姫さまたちは、奥会津に伝わる伝統の織物「からむし織」の技術を学び伝えていくために、全国各地からやってきています。

 

600年前から続く織物「からむし織」

からむし織は奥会津で600年以上前から作られ続けている織物です。その品質は非常に高く、100年はもつといわれています。そのため、江戸時代には武士の裃にも使われていたんだそうです。

そんな伝統のある織物ですが、その担い手は近年激減しています。
高速道路も新幹線も通っていない山間の村は、冬になれば豪雪地帯でもあり、暮らしやすい場所とはいえない環境です。そのため過疎化と高齢化が進み、伝統を受け継ぐ若者が激減しているのです。

そこで生まれたのが、からむし織を伝える研修生を募集する制度でした。この制度でからむし織を学び伝えていく女性たちを「織姫」と呼んでいるのです。

全国から集まる織姫、田舎暮らしでの再発見

織姫は全国各地色々なところからやってきています。そんな彼女たちの共通点は物作りが好きだということです。
中には都会暮らしをしていたという織姫もいるのですが、からむし織の原料である苧麻(ちょま・からむし)の栽培や糸を撚る作業・畑仕事などを通じて、田舎暮らしの魅力にひきつけられるという人も多いそうです。

そのため、ここ数年で若い女性の移住者が増えており、今まででなんと206人の女性が移り住んでいるそうです。

自分で育てた植物で織物を作り、育てた野菜でご飯を食べて、そして地域の人とコミュニケーションをしていく。
そんなシンプルな生活の中には、都会の複雑な生活で忘れていた安らぎがあるのかもしれません。
物作りとからむし織に魅せられた女性たちが伝統をつないでいる現場が、確かにそこにあるようです。

 

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