なぜ中関白家と呼ぶ?「香炉峰の雪」の元ネタ、蔓延した疫病の実際…大河ドラマ「光る君へ」4月21日放送振り返り:3ページ目
許しがたい伊周の直衣~今週のF4
さて、今週のF4は雪遊びからの雪見酒でしたね(道長除く)。
藤原公任(町田啓太)「お前、道長じゃなかったのかよ?」
藤原行成(渡辺大知)が「道長だった」という発言へは深入りしないこととしまして、ここで気になるのは次の発言。
公任「しかし、帝の御前で伊周殿の直衣(のうし)は許し難い」
藤原斉信(金田哲)「それを帝がお許しになっているのだから仕方あるまい」
いやいや、帝がお許しになっても遠慮しろよ……と思ったのは、筆者だけではないでしょう。
というのも、直衣は平安貴族にとって普段着。「ただのころも」とも読めますが、真っ直ぐにのした布を使った衣だからとも言われます。
いくら寵愛と許可を得ているからと言って、畏れ多くも天皇陛下の午前でTシャツGパン姿では不敬というものです。
中関白家の増長ぶり、伊周の傲慢ぶりを表わすエピソードでした。
ちなみに、他の公任たちは束帯(そくたい)姿。お楽しみの場とはいえども、やはり君臣の序は守りたいものです。
この傲慢さが、後の凋落にスパイスを添えてくれるのでしょう。