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何たる暴挙!平安貴族・藤原行成(演:渡辺大知)が恥辱を受けた藤原實方のありえない行動とは?【光る君へ】

何たる暴挙!平安貴族・藤原行成(演:渡辺大知)が恥辱を受けた藤原實方のありえない行動とは?【光る君へ】:2ページ目

『十訓抄』に見る、犯行当日の描写

さて、藤原實方の生涯をたどったところで、いよいよ犯行の瞬間?を見ていきましょう。

『十訓抄(じっきんしょう)』によると、藤原實方と藤原行成(ゆきなり/こうぜい)の間には、こんなやりとりがあったそうです。

大納言行成卿、いまだ殿上人にておはしける時、実方中将、いかなる憤りかありけん、殿上に参り會ひて、いふ事もなくて、行成の冠を打ち落して、小庭になげ捨ててけり。……

※『十訓抄』詳解 下巻「第八 可堪忍于諸事事」より

【意訳】大納言こと藤原行成が、まだ殿上人(てんじょうびと)であったころのこと。藤原實方は何を怒っていたのか、何も言わずいきなり殴りかかり、行成の冠を叩き落として庭先へ投げ捨てたのである。

……何たる暴挙。当時、成人男性が公衆の面前で頭髪を晒すのは大変な恥辱とされていました。

無理やり現代の価値観に置き換えるなら、いきなりズボンとパンツを脱がせるくらいの暴挙と言えるでしょう。

それにしても「いまだ殿上人にておはしける時」という表現がすごいですね。

殿上人とは代理に昇殿を許された五位以上の貴族。六位以下の下級官人たちにして見れば、雲の上にいるような存在でした。

それが「まだ身分が低かったころ」と言わんばかりの表現は、生まれながらにして公卿(くぎょう。三位以上の最上級貴族)になることが約束されていたことがうかがえます。

そんなエリート中のエリート行成が、ある日いきなりみんなの前で、パンツを脱がされるレベルの恥辱を受けてしまいました。

果たして、どうなるのでしょうか?

3ページ目 「そなたに殴られる筋合いはない」行成の毅然たる態度

 

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