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「極楽は 敵を倒した その先に」徳川家康が詠んだ味わい深い和歌5選を紹介

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極楽は 敵を倒した その先に

切むすふ 太刀の下こそ 地獄なれ
懸れや懸れ さきは極楽

※ある時の戦で本多忠勝らわずか七騎で大樹寺に入った時に詠んだ和歌

【意訳】地獄というのは、敵と斬り合いしている今この時この場所である。怯まず進め、極楽はこの先じゃ!

……絶体絶命の状況下で、家臣たちを鼓舞したこの一首。

家康のキャッチフレーズ「厭離穢土欣求浄土(穢れた俗世を離れ、極楽浄土を求める)」とは、つまり「極楽は 敵を倒した その先に」ということだったのかも知れませんね。

終わりに

以上『徳川実紀(東照宮御実紀附録)』より、家康の詠んだ和歌を紹介してきました。

ちなみに『徳川実紀』は江戸時代に編纂された歴史書であり、徳川幕府を肯定する立場から、公平性や史実性については正直微妙な点が否定できません。

とは言え、人々に親しまれてきた徳川家康のイメージに大きな影響を与えた文献として、参考までに楽しんで頂ければと思い紹介しました。

本当に家康がこれらの和歌を詠んだのかどうかはともかく、「家康ならこんな和歌を詠んだかも知れないな」と味わっていただけたら嬉しいです。

このほか辞世の句など興味深い和歌があるので、また改めて紹介できたらと思います。

※参考文献:

  • 『徳川実紀 第壹編』国立国会図書館デジタルコレクション
 

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