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夫婦でありながらなぜ…江戸時代の恋物語『心中宵庚申』が描く切なさと義理人情

夫婦でありながらなぜ…江戸時代の恋物語『心中宵庚申』が描く切なさと義理人情

嘆くお千世家族と、そこに現れた半兵衛

お千世の実家(山城国)では、姉夫婦が老父と暮らしていました。老父は離縁されたお千世の身の上を嘆きます。そこへ、何も知らない半兵衛が浜松からの帰りに立ち寄ります。

事情を知った半兵衛は、お千世の家族に、彼女を命を懸けて守ることを近い、に二人で帰ります。

責められる半兵衛、そしてついに二人は……

大坂に帰った二人ですが、義母は半兵衛を親不孝者と責めたてます。半兵衛は武家の出身。義母が嫁を離縁したとなれば家の不名誉にもなりますし、義母への恩もあったのでしょう。

半兵衛は自分から改めて離縁を切り出し、家を出て二人で心中をしました。

近松門左衛門が投げかけるもの

この作品は、夫婦の心中という珍しさだけがポイントではないと言われています。近松門左衛門自身も元は武家の出身。この策人には、武家が持つ家族の有りようや、社会制度や義理に縛られる生きづらさなどが強く描かれています。

いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。

 

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