いくつもの歌が収められた「万葉集」。素朴な歌、自然を表現した歌など、さまざまなものがありますが、「恋」も大きなテーマのひとつです。
そこで今回の記事では、そんな「恋」にまつわる万葉集のひとつの歌をご紹介したいと思います。きっとみなさんも「キュン」とすること間違いなしです。
まずは「万葉集」について簡単におさらい!
「万葉集」は、現存する日本最古の歌集です。奈良時代、7世紀の後半から8世紀の後半ごろにかけて編さんされたと言われています。歌の作者は天皇から農民まで幅広く、全20巻に約4500首の歌が収められています。
また、詠まれた土地も東北から九州までと日本全国幅広くなっています。
ご紹介する歌を詠んだのは大伴旅人か
今回の記事でご紹介する歌は巻5の859番の歌なのですが、作者は大伴旅人(おおとものたびと)とする説があったり、「大伴旅人たち」とする説があったり、はたまた「作者不明」とする説もあります。
大伴旅人は大納言・大伴安麻呂の長男であり、彼の子どもにはかの有名な大伴家持(おおとものやかもち)がいます。大伴旅人は飛鳥時代から奈良時代にかけての公卿・歌人です。
67歳で生涯を終えるまで多くの歌を残しました。2年半から3年ほど大宰府の長官として赴任していたこともあります。