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メンチカツの語源、知ってる?関西には「ミンチカツ」も存在する?両者の由来と特徴を解説:2ページ目
正しい発音だった「ミンチカツ」
さて、一方のミンチカツは関西を中心に使われている言葉です。これは昭和期に兵庫県神戸市の精肉店で生まれた言葉だとされています。
モデルとなったのは、東京の洋食店が開発した「メンチボール」という名前のミートボールで、先述の煉瓦亭でメンチカツが発明されたよりもずっと後のことでした。
つまり、メンチカツもミンチカツもルーツは東京だといえますが、厳密に見ていくと、メンチカツとミンチカツは関東と関西で独自に開発されたものだったのです。
それが偶然に同じような料理となり、さらに名前も似ていたということですね。
関西では、最初からひき肉のことをミンチと呼んでいました。リスニング的にも正しい発音です。よって、ひき肉を使ったカツはそのままミンチカツと名付けられました。
ちなみにメンチカツ・ミンチカツや、他にもトンカツなどで使われている「カツ」という言葉は、フランス語のコートレットにが語源です。コートレットは肉にパン粉を付けてバターで焼く料理で、これが日本でカツレツと呼ばれ、略語の「カツ」が使われるようになったのです。
関東・関西の違い
このように、メンチカツは明治時代に東京の洋食店で誕生し、一方のミンチカツは昭和期に神戸の精肉店で生まれたことが分かります。
ここまででメンチカツとミンチカツが「全く同じなのに名称だけが違う」かのように書いてきましたが、厳密に言えば両者は全く同じ料理ではありません。使われている材料に多少の地域差があります。
メンチカツは、豚肉と牛肉の合いびき肉が使われるのが一般的です。一方、ミンチカツは主に牛肉のひき肉が使われます。この違いは、ミンチカツを発案したのが精肉店だったことから、ビーフを贅沢に使うことができたからではないかと考えられます。
そういえば、ほぼ同じ料理なのに関西と関東で呼び名が違う食べ物はたくさんあります。回転焼きと今川焼きがその好例ですし、また関西では、油揚げがのっている蕎麦は「たぬき」と呼びます。関東のように「きつね」ではないんですね。
他にも、関東ではイカ焼きと呼ぶあの食べ物のことを、関西では姿焼きといいます。さらに「つまみ」「アテ」「お通し」「つきだし」「肉まん」「豚まん」……など、挙げていくと枚挙にいとまがないほどです。
メンチカツとミンチカツの違いも、こうした関東・関西圏の言葉遣いの違いを表しているといえるでしょう。
参考資料
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