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【どうする家康】忠義の裏に秘めた野心…毎熊克哉が演じる大岡弥四郎(大賀弥四郎)の末路【前編】:3ページ目
家康が自ら事情聴取
……御みづから近藤を召て。汝に加恩とらするは弥四郎が取なしに非るはいふまでもなし。汝嚮(さき)に岡崎にありて早苗取しときわがいひし事を。今にわすれはせじと宣へば。近藤感涙袖をうるほして御前をしりぞきぬ。其後又ひそかに近藤をめして。弥四郎が事つばらに問せ給へば。近藤承り彼元より腹あしき者にて種々の悪行あれども。常時両殿の寵遇を蒙るゆへいづれも願望していひ出ることあたはず。この儘に捨置せ給はゞ。御家の大事引出さむも計りがたし。御たづねあるこそ幸なれとて。種々の悪事どもかぞへ立て言上し。なほ詳なることは目付もて尋給へといふ。……
※『東照宮御実紀附録』巻三「誅大賀弥四郎」
「ふむ……左様なことがのぅ」
家康はさっそく近藤ナニガシを召し出し、丁寧に諭しました。
「此度の恩賞は、ひとえにそなたの武功ゆえなれば、弥四郎のとりなしなど関わりなきこと。そなたとかつて交わした約束を、わしは今も忘れてはおらぬ」
「殿……!」
主従で共に乗り越えた岡崎時代の苦難を思い出し、感涙に袖をぬらす近藤ナニガシ。その後、家康は改めて近藤ナニガシを呼び出します。
「あの弥四郎は、そんなに評判が悪いのか?」
「は。このまま放置すれば、遠からず当家に害をなしましょう」
問われるままに近藤ナニガシは弥四郎に関する後ろ暗い噂を報告。今まで信頼していた弥四郎がそんなことを……家康は大層驚いたのでした。
※参考文献:
- 『NHK大河ドラマ・ガイド どうする家康 前編』NHK出版、2023年1月
- 『徳川実紀 第壹編』国立国会図書館デジタルコレクション
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