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なぜ豊臣秀吉は「関白」の地位を望んだのか?征夷大将軍ではなく貴族のポジションを選んだその理由

なぜ豊臣秀吉は「関白」の地位を望んだのか?征夷大将軍ではなく貴族のポジションを選んだその理由

秀吉の目論見は?

彼が関白になったのは、朝廷内での対立に彼が介入したことが理由でした。当時は、関白である二条昭実と内大臣の近衛信輔が対立しており、双方が秀吉に相談していたのです。

そこで秀吉は、彼自身が近衛家の一人として関白に就任し、その後、近衛信輔へと関白職を譲れるように朝廷に認めさせたのです。つまり彼は中継ぎとして関白に就任したのでした。

もちろんこれは、ただ近衛のためにやったわけではなく、関白職の権威を統一政権運営に利用しようという目論見もありました。彼は貴族社会に武家を組み込んでいき、貴族も統率することを試みたのです。

しかし、彼のこの試みは失敗でした。武家が官職についてもうまくいくはずがなく、朝廷の政治は停滞します。

この改革を否定し、あくまでも武家と貴族を分ける支配体制へと戻したのは徳川家康です。秀吉亡き後に実権を握った家康が就任したのは、関白ではなく征夷大将軍のポジションでした。

参考資料
『オールカラー図解 流れがわかる戦国史』かみゆ歴史編集部・2022年

 

 

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