「鎌倉殿の13人」鎌倉を取り戻す。実朝の決意に義時は…第42回放送「夢のゆくえ」振り返り:4ページ目
一、大江広元、眼を患う
「いかがした、具合でも悪いのか」
病気によって目を悪くしている大江広元(演:栗原英雄)。推しなので心配もひとしお……早くよくなって欲しいですね。
ちなみに『吾妻鏡』で広元が目を悪くしてしまうのは建保5年(1217年)11月。実朝の渡宋計画が頓挫して半年以上後のこととなります(大河ドラマの都合で時系列が前後)。
陰。陸奥守廣元朝臣不例。目所勞。腫物等計會……
※『吾妻鏡』建保5年(1217年)11月8日条
【意訳】曇り。広元の具合が悪く、目の病気と腫物が併発してしまった。
病状は重く、危篤に陥ったため9日には義時が見舞いに駆けつけました。
霽。廣元朝臣病惱危急之間。爲令見訪之給。右京兆渡御于彼亭。
※『吾妻鏡』建保5年(1217年)11月9日条
いよいよこれまでかと思われたため、広元はまだ生きている内に出家して覚阿(かくあ)と号します。実朝も心配して結城朝光(演:高橋侃)を見舞いに出しました。
晴。陸奥守依獲麟。爲存命出家〔法名覺阿〕。將軍令左衛門尉朝光訪之給。
※『吾妻鏡』建保5年(1217年)11月10日条
一ヶ月ほどして持ち直した広元。しかし目は治らず、白と黒も分からない状態だったそうです。
晴。前大膳大夫入道覺阿所勞平愈之間。今日沐浴。但眼精暗兮。不能分黒白云々。
※『吾妻鏡』建保5年(1217年)12月10日条
大河ドラマではまだ何とか見えるのか、目をショボショボさせた演技がお労しいところ。しかし弱気になった政子の「逃げ出したい」発言を気丈に支えます。
本当は一緒に逃げ出したかった(隠居したかった)のかも知れませんが、声を震わせて尼御台を奮い立たせる広元。今後も二人の関係に注目です。
(予備知識のない方向けに補足すると、二人は最後まで無事?生き延びるので、安心して推せますよ!)