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「鎌倉殿の13人」泉親衡とは何者か?北条義時・和田義盛の開戦前夜…第40回放送「罠と罠」予習【上】

「鎌倉殿の13人」泉親衡とは何者か?北条義時・和田義盛の開戦前夜…第40回放送「罠と罠」予習【上】:5ページ目

張本人・泉親衡は鎌倉を脱出、行方不明に

天晴。今度叛逆張本泉小次郎親平。隱居于違橋之由。依有其聞。遣工藤十郎被召處。親平無左右企合戰。殺戮工藤并郎從數輩。則逐電之間。爲遮彼前途。鎌倉中騒動。然而遂以不知其行方云々。

※『吾妻鏡』建暦3年(1213年)3月2日条

ところで、これほどの大騒動を惹き起こしておきながら、張本人の泉親衡はどこへ行ったのでしょうか。

月が替わって3月2日、どうやら親衡が筋替橋(違橋)の辺りに潜伏しているとの情報が入ってきました。鶴岡八幡宮から徒歩3分、鎌倉御所から徒歩5分ほど、めちゃくちゃ燈台下暗しですね。

さっそく現場へ工藤十郎(くどう じゅうろう)らが派遣されたものの、敵もさるもの。親衡は果敢な抵抗によって十郎ら郎従数名を殺害、包囲を突破して鎌倉を脱出。

「追え、逃がすな!」

必死の捜索もむなしく親衡はそのまま消息を絶ち、歴史の表舞台から姿を消します。こうして泉親衡の乱はスッキリしない幕切れとなったのでした。

【下へ続く】

※参考文献:

  • 石井進『日本の歴史(7) 鎌倉幕府』中央公論社、2004年11月
  • 五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡 7頼家と実朝』吉川弘文館、2009年11月
  • 笹間良彦『鎌倉合戦物語』雄山閣出版、2001年2月
  • 細川重男『頼朝の武士団 鎌倉殿・御家人たちと本拠地「鎌倉」』朝日新書、2021年11月
  • 三谷幸喜『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 完結編』NHK出版・2022年10月
 

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