「鎌倉殿の13人」ついに始まる!源頼家の暴走…第28回放送「名刀の主」予習:3ページ目
鎌倉殿の懐刀・梶原景時を手放した頼家
政子が危惧していた通り、傍若無人な頼家の態度を快く思っていない御家人は少なくありませんでした。
正治元年(1199年)10月25日、結城朝光(演:高橋侃)は頼朝を偲ぶために念仏会を開催します。その席で、みんなにこんな思いを吐露したのです。
「昔しから『忠臣は二君に事せず(仕えず)』と言います。私は頼朝様に厚い御恩を受けた身、お亡くなりになった時に出家遁世して菩提を弔いたかったのですが、頼朝様の(自分の死後は頼家を支えて欲しいという)ご遺言に従って思いとどまりました。そのことがとても悔やまれてなりません。ところで今の世を見ると(いつ謀反の疑いで粛清されるかビクビクして)薄氷の上を歩いているような思いです」
朝光は元服に際して頼朝から朝の字を賜り、また成人の証しである烏帽子を被せてもらった深い絆で結ばれていました。
誰よりも頼朝に寄り添い、敬愛してきた朝光の思いを知る御家人たちはそれぞれ涙にくれたのですが、これを謀反の疑いありとして頼家に讒訴した者がいます。そう、梶原景時(演:中村獅童)です。
「七郎(朝光)殿、早うお逃げ下され!」
朝光が殺されると知って、いち早く情報を伝えたのが阿波局(あわのつぼね)。大河ドラマでは実衣(演:宮澤エマ)と呼ばれる阿野全成(演:新納慎也)の妻です。
しかし逃げろと言っても、逃げたら逃げたで「謀叛を企んでいたから、やましかったのだろう」などと立場は悪くなるばかり。
ここはいちかばちか正々堂々と立ち向かおう。そこで朝光は断金の朋友(金属すら断ち切るほど強い絆で結ばれた友)である三浦義村(演:山本耕史)に相談しました。
4ページ目 このまま放置しておけば、罪なき命が奪われ続けることになる